第17話 貴族の舞踏会と社交界デビュー -4

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11. 騒動の収束と新たなコネ
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ルチアナ姫の提案を受けたフィーネは、拡声の魔道具を使い、必死に他のヒロインたちをなだめ、騒動を収束させようと奮闘する。

「皆さん!落ち着いてください!
 これは舞踏会の演出です!演出ですからーっ!」
「どうか、これ以上騒がないでくださいっ!
 姫様からの依頼がかかってるんですから!大金がかかってるんですから!」

フィーネの必死の叫びに、イリスが冷静に分析する。

「演出……ふむ、たしかにカオス理論の観点から見ると、これは新たな芸術形式と捉えることも可能ね。人間の本能が露呈するデータとして、非常に興味深い」

リリアはツンデレながらも、しぶしぶ騒動から離れた。

「全く、仕方ないわね……これ以上騒いだら、アークライト家の名に泥がつくわ。
 それに、フィーネが泣きそうじゃない」

混乱の中で、貴族たちの隠された素顔や裏の繋がりが、ルナのサイコメトリー能力によっても読み取られ、イリスが分析する。

「まさか、あのカイル侯爵家の不正がこんな形で露見するとは……!
 あの書類、早く隠蔽しなくては……!誰にも聞かれてないわよね……」
「イリス……お師匠様……あの……貴族……不正……隠蔽……の……記憶……」
「なるほど。王家の秘密に繋がる情報が、偶然にも手に入ったようね。
 これは大きな収穫だわ。
 ルナ、もっともっと詳しい情報を集めなさい」

会場は徐々に静けさを取り戻していく。フィーネの努力が、ようやく実を結び始めたのだった。



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12. ギルドでの収支報告とエルザの微笑み
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冒険者ギルドの受付カウンター。

フィーネは、頭を抱えながら、舞踏会の修繕費がとんでもない額で記載された収支報告書をエルザに提出していた。
もう恒例行事となっているやり取りだ。

「エルザさん!舞踏会の修繕費がとんでもないことになってます!
 大赤字ですよ!」

「もう貴族相手の商談なんてこりごりです!
 私の苦労が報われません!」

フィーネは机に突っ伏し、半泣きで訴える。エルザは報告書をちらりと見て、にこやかに微笑んだ。

「ふふふ……でも、あなたたちのおかげで、王家や貴族たちの間で新たな繋がりが生まれましたわ」

「ルチアナ姫との個人的なパイプもできましたし、何よりギルドの評価も上がりました。
 目に見える利益だけが全てではないわ、フィーネ。
 これは、ブランドイメージの確立ですわ。
 あなたたちの名は、金銭以上の価値を持ちますのよ。」

エルザの言葉に、フィーネは顔を上げて食い下がった。

「ブランドイメージ!?それでこの赤字が埋まるんですかーっ!?」
「ええ。それにしても、あなたたちの『騒動』は、時に思わぬ真実を暴き出す。これもまた、あなたの手腕、ということにしておきましょうか」

エルザはそう言って、口元だけで笑った。その瞳の奥には、すべてが計画通りに進んだことへの満足感が宿っている。

(今回も問題児たちはうまくやってくれたわ。
 おかげで厄介な貴族の依頼が一件片付いたわ。
 さて、次の依頼は、王家の隠し事を暴く高額依頼でも持ちかけてみるか……)

エルザは心の中でそう呟いているようだった。ギルドの奥からは、アリスの歌声が響いてくる。

「〜♪ポンコツ令嬢の社交界デビュー〜、奇跡の歌声が暴き出す〜、王家の秘密と新たな絆〜、最強のパーティは止まらない〜♪」

アリスは、今回の騒動をすでに伝説として美化し、高らかに歌い上げていた。フィーネは、その歌声を聞きながら、再び机に突っ伏すしかなかった。

その風景は、ギルドの日常となっていたのだった。




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ルチアナ姫の提案を受けたフィーネは、拡声の魔道具を使い、必死に他のヒロインたちをなだめ、騒動を収束させようと奮闘する。
「皆さん!落ち着いてください!
 これは舞踏会の演出です!演出ですからーっ!」
「どうか、これ以上騒がないでくださいっ!
 姫様からの依頼がかかってるんですから!大金がかかってるんですから!」
フィーネの必死の叫びに、イリスが冷静に分析する。
「演出……ふむ、たしかにカオス理論の観点から見ると、これは新たな芸術形式と捉えることも可能ね。人間の本能が露呈するデータとして、非常に興味深い」
リリアはツンデレながらも、しぶしぶ騒動から離れた。
「全く、仕方ないわね……これ以上騒いだら、アークライト家の名に泥がつくわ。
 それに、フィーネが泣きそうじゃない」
混乱の中で、貴族たちの隠された素顔や裏の繋がりが、ルナのサイコメトリー能力によっても読み取られ、イリスが分析する。
「まさか、あのカイル侯爵家の不正がこんな形で露見するとは……!
 あの書類、早く隠蔽しなくては……!誰にも聞かれてないわよね……」
「イリス……お師匠様……あの……貴族……不正……隠蔽……の……記憶……」
「なるほど。王家の秘密に繋がる情報が、偶然にも手に入ったようね。
 これは大きな収穫だわ。
 ルナ、もっともっと詳しい情報を集めなさい」
会場は徐々に静けさを取り戻していく。フィーネの努力が、ようやく実を結び始めたのだった。
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12. ギルドでの収支報告とエルザの微笑み
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冒険者ギルドの受付カウンター。
フィーネは、頭を抱えながら、舞踏会の修繕費がとんでもない額で記載された収支報告書をエルザに提出していた。
もう恒例行事となっているやり取りだ。
「エルザさん!舞踏会の修繕費がとんでもないことになってます!
 大赤字ですよ!」
「もう貴族相手の商談なんてこりごりです!
 私の苦労が報われません!」
フィーネは机に突っ伏し、半泣きで訴える。エルザは報告書をちらりと見て、にこやかに微笑んだ。
「ふふふ……でも、あなたたちのおかげで、王家や貴族たちの間で新たな繋がりが生まれましたわ」
「ルチアナ姫との個人的なパイプもできましたし、何よりギルドの評価も上がりました。
 目に見える利益だけが全てではないわ、フィーネ。
 これは、ブランドイメージの確立ですわ。
 あなたたちの名は、金銭以上の価値を持ちますのよ。」
エルザの言葉に、フィーネは顔を上げて食い下がった。
「ブランドイメージ!?それでこの赤字が埋まるんですかーっ!?」
「ええ。それにしても、あなたたちの『騒動』は、時に思わぬ真実を暴き出す。これもまた、あなたの手腕、ということにしておきましょうか」
エルザはそう言って、口元だけで笑った。その瞳の奥には、すべてが計画通りに進んだことへの満足感が宿っている。
(今回も問題児たちはうまくやってくれたわ。
 おかげで厄介な貴族の依頼が一件片付いたわ。
 さて、次の依頼は、王家の隠し事を暴く高額依頼でも持ちかけてみるか……)
エルザは心の中でそう呟いているようだった。ギルドの奥からは、アリスの歌声が響いてくる。
「〜♪ポンコツ令嬢の社交界デビュー〜、奇跡の歌声が暴き出す〜、王家の秘密と新たな絆〜、最強のパーティは止まらない〜♪」
アリスは、今回の騒動をすでに伝説として美化し、高らかに歌い上げていた。フィーネは、その歌声を聞きながら、再び机に突っ伏すしかなかった。
その風景は、ギルドの日常となっていたのだった。