9-2
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ドラムは全身の力がどっと抜けたように、その場に膝をついた。
「こ、これが……ここにあるということは〝ヤツ〟も復活したのか……」
一人合点するドラムを、訳も分からずに見ていた。
「なあ、この城の事を知っているのか?」
僕にきかれてドラムは力なく頷く。そしてぽつぽつと、語り始めた。
この地球、マザーをめぐって、戦った魔族のこと。
それらを統べた魔族の王、タイガのこと。
王が行方不明になったあとに、現れた魔王、ロンゼ・ブリード。
そして、魔王がつくった、史上最悪の兵器〝悪魔の蓄音機〟のこと……。
ドラムは語りだしてから、冷静さを取り戻してきた。
この地球に関することを全て語り終えると、立ち上がった。
「つまり、あれが全てを終わらせ、また、全てを創めたのだ」
話のスケールの大きさに、身を震わせた。
「あ、あんな古城が、この地球を……」
「そうだ……地獄はもう二度と見たくない」
ドラムは右手を開くと、古城に向けた。
「ど、どうする気だ?」
「壊す」
「どうやって?」
「月花陣をかける」
そう言うと、ドラムの手は桃色に光っていた。
「そんな! 月花陣は未完成だと、自分で言っていたじゃないか!」
「それは、お前が使っている術のことだ。私の術は完成している」
ドラムが「陰!」と印を結んだ。
城の周りに線が引かれていき、円が描かれる。
やがて円陣に、桃色の花が描かれ、光りだした。
「見ておけ……これが、完成した月花陣だ!」
僕が今まで使っていた術はこれで完成だった……。
しかし、ドラムのかけた月花陣はまだ終わっていない。円陣から薄い膜が球状に広がっていく。
円陣ではなく、球陣となったのだ。
大きな球が城を包んでいる。
「こ、これが……完成した月花陣……」
僕は思わず、息を呑んだ。
「そうだ、お前の使う月花陣には、隙がある。それは円陣だ。所詮、『円では中のものを閉じ込められない』それが、原因だ」
ドラムは人差し指を立てて、腕を上げた。
「忌まわしき城よ。これで、お前を見るのも最後だ!」
その時だった。城の真上に、大きな戦艦が現れた。
「ドラム、あの戦艦は!」
「あれは……」
彼が顔をしかめていると、戦艦から「ぼん!」という爆発音が聞こえた。
しばらくすると、戦艦が傾く。
船の上には、なんと城が浮かんでいる。
青い色の城。
それは戦艦めがけて突っ込んできた。
大きな音を立てて、戦艦と城は衝突する。
煙をあげると、その二つは森の奥へと落下していった。
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「こ、これが……ここにあるということは〝ヤツ〟も復活したのか……」
一人合点するドラムを、訳も分からずに見ていた。
「なあ、この城の事を知っているのか?」
僕にきかれてドラムは力なく頷く。そしてぽつぽつと、語り始めた。
この地球、マザーをめぐって、戦った魔族のこと。
それらを統べた魔族の王、タイガのこと。
王が行方不明になったあとに、現れた魔王、ロンゼ・ブリード。
そして、魔王がつくった、史上最悪の兵器〝悪魔の蓄音機〟のこと……。
ドラムは語りだしてから、冷静さを取り戻してきた。
この地球に関することを全て語り終えると、立ち上がった。
「つまり、あれが全てを終わらせ、また、全てを創めたのだ」
話のスケールの大きさに、身を震わせた。
「あ、あんな古城が、この地球を……」
「そうだ……地獄はもう二度と見たくない」
ドラムは右手を開くと、古城に向けた。
「ど、どうする気だ?」
「壊す」
「どうやって?」
「月花陣をかける」
そう言うと、ドラムの手は桃色に光っていた。
「そんな! 月花陣は未完成だと、自分で言っていたじゃないか!」
「それは、お前が使っている術のことだ。私の術は完成している」
ドラムが「陰!」と印を結んだ。
城の周りに線が引かれていき、円が描かれる。
やがて円陣に、桃色の花が描かれ、光りだした。
「見ておけ……これが、完成した月花陣だ!」
僕が今まで使っていた術はこれで完成だった……。
しかし、ドラムのかけた月花陣はまだ終わっていない。円陣から薄い膜が球状に広がっていく。
円陣ではなく、球陣となったのだ。
大きな球が城を包んでいる。
「こ、これが……完成した月花陣……」
僕は思わず、息を呑んだ。
「そうだ、お前の使う月花陣には、隙がある。それは円陣だ。所詮、『円では中のものを閉じ込められない』それが、原因だ」
ドラムは人差し指を立てて、腕を上げた。
「忌まわしき城よ。これで、お前を見るのも最後だ!」
その時だった。城の真上に、大きな戦艦が現れた。
「ドラム、あの戦艦は!」
「あれは……」
彼が顔をしかめていると、戦艦から「ぼん!」という爆発音が聞こえた。
しばらくすると、戦艦が傾く。
船の上には、なんと城が浮かんでいる。
青い色の城。
それは戦艦めがけて突っ込んできた。
大きな音を立てて、戦艦と城は衝突する。
煙をあげると、その二つは森の奥へと落下していった。