誰…?
ー/ー
雨。今日は雨だ。
ベッドに寝転がったままカーテンを開けて外を見ると激しい雨が地面を叩きつけていた。
昨日の天気予報では「9月でもまだまだ日が照る蒸し暑い日が続くでしょう」なーんて言ってたんだけどな。見事に外れたか。
デーブルに投げ出されたような感じで置かれた自分の手帳に、シャーペンで適当な傘の絵を描く。1日の記録や出来事、天気などをテキトーに手帳に記していくのが、私の日課になっていた。
「なんか、テンション上がらないな。」
そう呟き、私は出勤のため家を出た。傘立てに刺さっている一本の黒い傘を手に取り、歩き出す。履いているヒールのコツコツという高い音が耳を刺激する。
3階分の階段を下り終わり、湿気でスーツの内側にジワリと熱気が伝わった。
手に持っていた黒い傘のボタンをはずし、バサッと傘を開く。傘を自分の真上に持ってくると同時に歩き出した。
「きゃっ」
歩き出した瞬間に誰かにぶつかった。咄嗟に口から悲鳴が零れ落ちる。バランスを崩した身体をなんとか元の体制に戻し、ぶつかってしまった人に謝ろうとした時だった。
「お前、大丈夫?」
「へ」
私の耳に低い男性の声が聞こえた。そしてその声に、怒りが混じっているのもはっきりと分かった。
「急にぶつかりやがって。俺のスーツ濡れただろうが。」
「ごっ、ごめんなさっ大学を卒業して圧感に負けて上擦った声が出る。
「お前、ちゃんと前見ろよなぁ。ぶつかった相手が俺だったからまだいいけど、高齢者だったらどうすんの。考えて行動しないと。」
「へ、あ、はい。」
久しぶりにこんなにずっとゆめみてた時代の記憶がよみがえってきた。
また、失敗。そう言うと、その人は私の前から姿を消した。
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デーブルに投げ出されたような感じで置かれた自分の手帳に、シャーペンで適当な傘の絵を描く。1日の記録や出来事、天気などをテキトーに手帳に記していくのが、私の日課になっていた。
「なんか、テンション上がらないな。」
そう呟き、私は出勤のため家を出た。傘立てに刺さっている一本の黒い傘を手に取り、歩き出す。履いているヒールのコツコツという高い音が耳を刺激する。
3階分の階段を下り終わり、湿気でスーツの内側にジワリと熱気が伝わった。
手に持っていた黒い傘のボタンをはずし、バサッと傘を開く。傘を自分の真上に持ってくると同時に歩き出した。
「きゃっ」
歩き出した瞬間に誰かにぶつかった。咄嗟に口から悲鳴が零れ落ちる。バランスを崩した身体をなんとか元の体制に戻し、ぶつかってしまった人に謝ろうとした時だった。
「お前、大丈夫?」
「へ」
私の耳に低い男性の声が聞こえた。そしてその声に、怒りが混じっているのもはっきりと分かった。
「急にぶつかりやがって。俺のスーツ濡れただろうが。」
「ごっ、ごめんなさっ大学を卒業して圧感に負けて上擦った声が出る。
「お前、ちゃんと前見ろよなぁ。ぶつかった相手が俺だったからまだいいけど、高齢者だったらどうすんの。考えて行動しないと。」
「へ、あ、はい。」
久しぶりにこんなにずっとゆめみてた時代の記憶がよみがえってきた。
また、失敗。そう言うと、その人は私の前から姿を消した。