第14話 メリーさんの服選び2
ー/ー
店の中に入ると目の前は人で溢れかえっていた。
そしてほとんどが女子。
男なんて1人も見当たらない。
「あら、またデザイン変わったのね」
咲は入ってすぐにかかっている服を手に取って見ている。
ヤバい、ヤバい目をしている。
まるでオタクの人が自分の好きな物を見ているかのような目をしている!
「可愛い! ねぇ悠真、この新作の服のデザイン可愛いと思わない?」
うわ、すっごい目がキラキラしてる。
もう自分の世界に入り込んでしまったようなのでスルーし、俺はメリーの方へ向かった。
『―――』
「どう? なんか気に入ったものとか見つけたか?」
『うーん……あっ、あれとか良さそうです』
メリーが指を指した先には、モノクロで一筆で描かれたような花が一輪デザインされたグレーのパーカーが掛かっていた。
「えっ、あれなの?」
『えっ、ダメですか?』
「いや、ダメじゃないけど……意外だなって思って」
『何がですか?』
「俺的にもっと可愛げなフリフリの服を選んでくると思ったんだけど」
『わたし的には単調な服が良いです。多分ずっとこういう服を着てきたから……』
なるほど、メリーはずっとこのワンピースを着てきたから逆に分からないんだろうな。
『てか、さっき可愛げなフリフリの服を選ぶと思ったって言いました?』
「あぁ、言った―――!」
あれ、俺結構やばいこと言った?
まずい、後ろからゴゴゴというオノマトペが聞こえるような……。
「ゆーまくん」
「は、はい……」
「メリーってそんなに小さい子ですか?」
「いえ! とっても魅力的な女性だと思います!」
とは言ったものの、もう終わった。
メリーにぶっ殺されるよぅ……。
そんな盛りつけた表現したって、女子というのは繊細だからこんなことじゃ許してもらえない……。
「そ、そうですか?」
―――ん? あれ、反応が思ったのと違う。
恐る恐るメリーの方を見ると……ほんのり顔を赤くしながら、もじもじしていた。
なんでだろうな。
俺の周りだと咲とかメリーみたいな美少女がこんな仕草されると余計可愛く見えるのは。
思わず見惚れてしまうし、色んな意味でやばいからやめてほしい。
俺とメリーの目が合うとメリーは視線を少しずらし、
『そんな急に言われたら、ゆーまくんとまともに話せないです』
俺もメリーとまともに話せません!
そんな虜にするような顔されたら無理に決まってる。
「なーにわたしの見えないところでイチャついてんのよ……」
『「――――っ!」』
あー終わった。
これ家帰ったら咲に殺されるやつや……。
「ま、今はそんなことよりもメリーの服選びよね」
『そ、そうですね!』
「あぁ、メリーがこれが良いって言ってたぞ! 俺的には良いと思うんだけど!」
「2人して急にどうしたのよ……まさかわたしに殺されるとでも思ったの?」
『「い、いいや?」いいえ?』
俺とメリーは慌てて手を横に振った。
咲はしばらく顔を覗き込み、「んー?」と唸りながら怪しんでいたが、「ま、いっか」っと言ってメリーの似合いそうな服を選び始めた。
『よ、良かった……』
と、メリーは安堵のため息を吐いた。
勿論、俺もメリーと同じくため息をついた。
流石に店の中では騒げないから、咲も気を使ったんだろうな。
でも、家に帰った瞬間に殺されるのは確実なのはわかっている。
はぁ、こりゃ今日も疲れるなぁ……。
◇◇◇
「うん、これが良いかも!」
2分後、咲がメリーが似合いそうな服を選び終わった。
すでにメリーは実体化しているため、そのまま試着室へ移動し、試着してみることに。
「絶対可愛くなるはずだから。まぁ、わたしのほうが可愛いけど?」
なんで俺の目を見ながら自画自賛する。
メリーに負けるもんかアピールがすごいのは伝わるけど。
『ど、どうですか……?』
メリーがゆっくりとカーテンを開けると……そこには今までとは全く違く見える魅力的な少女が姿を現す。
頭にはカチューシャ、目の色と同じ青色ベースの上下を着たメリーがそこにいた。
「うん! マリン系にしてみたんだけど、結構良いみたいね」
へぇ、これマリン系っていうんだ。
俺は全然服にこだわりがないから名前とか知らないけど、確かに海と合いそうな感じはする、気がする。
『ゆ、ゆーまくん。どうですか? 似合ってますか?』
「うん、めっちゃ似合ってる」
俺は腕を組みながら頷いた。
俺は褒めたつもりなのに、メリー納得言ってない様子。
服装かと思ったが、メリーはそこではなく……
『むぅ……もう可愛くて見てられないみたいな反応して欲しかったです!』
「あ、そっち!?」
まさかの俺の反応にご不満だった……。
いや、普通に似合っていたから率直な意見を言っただけなんだけどな。
「――――とても美しいです」
『え?』
俺はメリーから視線をそらしながら言った。
「とってもお美しい姿です。誰もが、特に俺がメリーのことをまっすぐ見ていられないくらいに、太陽のように眩しく見えますよ……」
『――――!?』
俺はまるで少女漫画に出てくるヒーローのような感じでメリーを褒め称えた。
周りに何かぽわぽわしたものが飛び交っているような気がするが、気にしないでおこう。
『――――』
ぱたっ
メリーは紙のようにふわふわと浮きながらゆっくり倒れ、そのまま昇天した……。
「「――――メリイィィィィイイイ!?」」
きゃあぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!
まさかの真に受け止めちゃったよ!
やばい、こんなところで昇天されるのは非常にまずいぞ……!
「このバカ!」
「痛った!」
俺の頭に、咲の拳がクリティカルヒットし、俺は痛さのあまりに頭を抑え込んでうずくまった。
「とにかく、メリーの着替えはわたしがやるから!」
咲はそう言って試着室の中に入り、カーテンを勢い良く閉めた。
あれ? 俺……とんでもないことやらかしてるような……。
なんか、女の子ってわからんなぁ……。
男子みたいに単純じゃないからちゃんと考えて発言しないとな。
「悠真!」
「――――!」
「着替えさせたからメリーをおぶって!」
「あぁ!」
メリーをおぶろうと近くまで寄ると、メリーは胸の前で合唱していた。
だめだこりゃ……しばらく戻ってこないかもしれない。
とりあえず、メリー自身もこのコーデを気に入っていたので会計を済ませ、店を後にする。
「もう、悠真のバカ! バカ野郎よ!」
「すいませんでした……」
咲にバカどころか、バカ野郎と言われてしまった。
もう生きていけないかもしれません皆様。
「でも……羨ましいな。わたしも言ってもらいたいなぁ」
「ん? なんか言ったか?」
「はぁ……なんでもない」
もはやため息もつかれた。
多分俺に対して、絶望したわ系の独り言だろう。
『う、ん……。あれ? ここは……』
「お、起きた。大丈夫か?」
『はい。なんともないです』
「もう心配かけないでよね。びっくりして焦ったんだから」
『すいません……』
「まあ、メリーは悪くないけど。ね、悠真?」
「――――はい」
怖いからその顔やめて。
「――――」
さっきよりメリーのホールドが強くなった気がした。
ごめんなメリー……。
そう思って後ろを振り向くと少し顔を赤らめ、安心しきったかのような優しい表情をしているメリーがいたのだった。
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。
店の中に入ると目の前は人で溢れかえっていた。
そしてほとんどが女子。
男なんて1人も見当たらない。
「あら、またデザイン変わったのね」
咲は入ってすぐにかかっている服を手に取って見ている。
ヤバい、ヤバい目をしている。
まるでオタクの人が自分の好きな物を見ているかのような目をしている!
「可愛い! ねぇ悠真、この新作の服のデザイン可愛いと思わない?」
うわ、すっごい目がキラキラしてる。
もう自分の世界に入り込んでしまったようなのでスルーし、俺はメリーの方へ向かった。
『―――』
「どう? なんか気に入ったものとか見つけたか?」
『うーん……あっ、あれとか良さそうです』
メリーが指を指した先には、モノクロで一筆で描かれたような花が一輪デザインされたグレーのパーカーが掛かっていた。
「えっ、あれなの?」
『えっ、ダメですか?』
「いや、ダメじゃないけど……意外だなって思って」
『何がですか?』
「俺的にもっと可愛げなフリフリの服を選んでくると思ったんだけど」
『わたし的には単調な服が良いです。多分ずっとこういう服を着てきたから……』
なるほど、メリーはずっとこのワンピースを着てきたから逆に分からないんだろうな。
『てか、さっき可愛げなフリフリの服を選ぶと思ったって言いました?』
「あぁ、言った―――!」
あれ、俺結構やばいこと言った?
まずい、後ろからゴゴゴというオノマトペが聞こえるような……。
「ゆーまくん」
「は、はい……」
「メリーってそんなに小さい子ですか?」
「いえ! とっても魅力的な女性だと思います!」
とは言ったものの、もう終わった。
メリーにぶっ殺されるよぅ……。
そんな盛りつけた表現したって、女子というのは繊細だからこんなことじゃ許してもらえない……。
「そ、そうですか?」
―――ん? あれ、反応が思ったのと違う。
恐る恐るメリーの方を見ると……ほんのり顔を赤くしながら、もじもじしていた。
なんでだろうな。
俺の周りだと咲とかメリーみたいな美少女がこんな仕草されると余計可愛く見えるのは。
思わず見惚れてしまうし、色んな意味でやばいからやめてほしい。
俺とメリーの目が合うとメリーは視線を少しずらし、
『そんな急に言われたら、ゆーまくんとまともに話せないです』
俺もメリーとまともに話せません!
そんな虜にするような顔されたら無理に決まってる。
「なーにわたしの見えないところでイチャついてんのよ……」
『「――――っ!」』
あー終わった。
これ家帰ったら咲に殺されるやつや……。
「ま、今はそんなことよりもメリーの服選びよね」
『そ、そうですね!』
「あぁ、メリーがこれが良いって言ってたぞ! 俺的には良いと思うんだけど!」
「2人して急にどうしたのよ……まさかわたしに殺されるとでも思ったの?」
『「い、いいや?」いいえ?』
俺とメリーは慌てて手を横に振った。
咲はしばらく顔を覗き込み、「んー?」と唸りながら怪しんでいたが、「ま、いっか」っと言ってメリーの似合いそうな服を選び始めた。
『よ、良かった……』
と、メリーは安堵のため息を吐いた。
勿論、俺もメリーと同じくため息をついた。
流石に店の中では騒げないから、咲も気を使ったんだろうな。
でも、家に帰った瞬間に殺されるのは確実なのはわかっている。
はぁ、こりゃ今日も疲れるなぁ……。
◇◇◇
「うん、これが良いかも!」
2分後、咲がメリーが似合いそうな服を選び終わった。
すでにメリーは実体化しているため、そのまま試着室へ移動し、試着してみることに。
「絶対可愛くなるはずだから。まぁ、わたしのほうが可愛いけど?」
なんで俺の目を見ながら自画自賛する。
メリーに負けるもんかアピールがすごいのは伝わるけど。
『ど、どうですか……?』
メリーがゆっくりとカーテンを開けると……そこには今までとは全く違く見える魅力的な少女が姿を現す。
頭にはカチューシャ、目の色と同じ青色ベースの上下を着たメリーがそこにいた。
「うん! マリン系にしてみたんだけど、結構良いみたいね」
へぇ、これマリン系っていうんだ。
俺は全然服にこだわりがないから名前とか知らないけど、確かに海と合いそうな感じはする、気がする。
『ゆ、ゆーまくん。どうですか? 似合ってますか?』
「うん、めっちゃ似合ってる」
俺は腕を組みながら頷いた。
俺は褒めたつもりなのに、メリー納得言ってない様子。
服装かと思ったが、メリーはそこではなく……
『むぅ……もう可愛くて見てられないみたいな反応して欲しかったです!』
「あ、そっち!?」
まさかの俺の反応にご不満だった……。
いや、普通に似合っていたから率直な意見を言っただけなんだけどな。
「――――とても美しいです」
『え?』
俺はメリーから視線をそらしながら言った。
「とってもお美しい姿です。誰もが、特に俺がメリーのことをまっすぐ見ていられないくらいに、太陽のように眩しく見えますよ……」
『――――!?』
俺はまるで少女漫画に出てくるヒーローのような感じでメリーを褒め称えた。
周りに何かぽわぽわしたものが飛び交っているような気がするが、気にしないでおこう。
『――――』
ぱたっ
メリーは紙のようにふわふわと浮きながらゆっくり倒れ、そのまま昇天した……。
「「――――メリイィィィィイイイ!?」」
きゃあぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!
まさかの真に受け止めちゃったよ!
やばい、こんなところで昇天されるのは非常にまずいぞ……!
「このバカ!」
「痛った!」
俺の頭に、咲の拳がクリティカルヒットし、俺は痛さのあまりに頭を抑え込んでうずくまった。
「とにかく、メリーの着替えはわたしがやるから!」
咲はそう言って試着室の中に入り、カーテンを勢い良く閉めた。
あれ? 俺……とんでもないことやらかしてるような……。
なんか、女の子ってわからんなぁ……。
男子みたいに単純じゃないからちゃんと考えて発言しないとな。
「悠真!」
「――――!」
「着替えさせたからメリーをおぶって!」
「あぁ!」
メリーをおぶろうと近くまで寄ると、メリーは胸の前で合唱していた。
だめだこりゃ……しばらく戻ってこないかもしれない。
とりあえず、メリー自身もこのコーデを気に入っていたので会計を済ませ、店を後にする。
「もう、悠真のバカ! バカ野郎よ!」
「すいませんでした……」
咲にバカどころか、バカ野郎と言われてしまった。
もう生きていけないかもしれません皆様。
「でも……羨ましいな。わたしも言ってもらいたいなぁ」
「ん? なんか言ったか?」
「はぁ……なんでもない」
もはやため息もつかれた。
多分俺に対して、絶望したわ系の独り言だろう。
『う、ん……。あれ? ここは……』
「お、起きた。大丈夫か?」
『はい。なんともないです』
「もう心配かけないでよね。びっくりして焦ったんだから」
『すいません……』
「まあ、メリーは悪くないけど。ね、悠真?」
「――――はい」
怖いからその顔やめて。
「――――」
さっきよりメリーのホールドが強くなった気がした。
ごめんなメリー……。
そう思って後ろを振り向くと少し顔を赤らめ、安心しきったかのような優しい表情をしているメリーがいたのだった。