第33話 だまし討ち
ー/ー
「生まれ変わりの話はこれくらいでいいかしら」と瑠璃子。「次は四分割の話ね」
「よくわかったとは言えませんが、続きをお願いします」と恵子。
「今回、私たちだけで下船したのは申し訳なかったけれど、実は重要な用事があったの」と瑠璃子。
「私たちは文句を言っておりません」と綾子。
「だけど、なぜだろうと思ってるでしょう?」と瑠璃子。
「まあ、そうですね。佐々木中尉の下船は特別なのでしょうか」と恵子。
「佐々木中尉は関係者なの」と瑠璃子。
「佐々木中尉も神様なのでしょうか」と綾子。
「違います!」と孝子。「私の父の佐々木中将は涙の魔術師を撃った張本人だからです!」
部屋がざわついた。
「そのような言い方をすると誤解を受けるわよ」と瑠璃子。
「誤解ではありません」と孝子。
「私が説明します。長野の統合本部の佐々木武史議長は涙の魔術師暗殺作戦の現場の指揮官だったのよ」と瑠璃子。「上からの命令で作戦指揮を執っただけのことです」
「卑怯なだまし討ちです。友人だった父が涙の魔術師を安心させて、後ろから撃ったのです」と孝子。「父はそのことをとても後悔していました。軍の命令など無視するべきだったと」
「個人的な感情で行動する人じゃないでしょ、あなたのお父様は」と瑠璃子。「佐々木中将は立派な軍人よ」
「私は父の身代わりとしてここに送られてきたのです。あなたたちとは違うのです。私はあなたたちのように、高い志を持った立派な人間じゃない」と孝子。
「あなたは立派に職責を果たしています。わが艦隊の航空隊の指揮官なのですよ」と瑠璃子。
「そんな立場は建前です。私は何も役に立っていません。航空隊の戦力なんて、艦長が搭乗したウィッチ偵察機の戦力の足元にも及びません」と孝子。
「君のことを悠木は高く買っていたよ。優秀な戦闘指揮官だと」と桐子。「でなければ、あいつは君の面倒を見たりしない。君の相手をするとき、あいつはとても楽しそうだ」
「本当ですか?」と孝子。
「あなたは私を役立たずな艦隊司令だと思っているでしょう」と瑠璃子。「私がいなくても、あなたたちだけで艦隊を運用できるはずです」
「そんなことはありません」と孝子。
「内親王の私が朝風に乗艦している理由の一つは、人質です。悠木君の不安を払しょくするための」と瑠璃子。「つまり後ろから撃たれないことを保証するためです。それから二番艦夕霧の艦長を桐子さんが勤めるのも同じ理由です」
「でもなぜ私たちの防空隊なのでしょうか。正規の宇宙軍ではなくて」と恵子。
「あの子が海軍を嫌っているからよ。防空隊は軍ではないし、制服が違うでしょ」と瞳。「何より海軍とすこし文化が違うからいいのよ」
「そうでしょうか?」と恵子。
「正規の連合海軍の戦艦で、子供艦長なんて受け入れられると思う?」と瞳。
「分かってもらえたかしら」と瞳。「悠木にはあなたたちが必要なのよ。女子高生士官のあなたたちが」
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「よくわかったとは言えませんが、続きをお願いします」と恵子。
「今回、私たちだけで下船したのは申し訳なかったけれど、実は重要な用事があったの」と瑠璃子。
「私たちは文句を言っておりません」と綾子。
「だけど、なぜだろうと思ってるでしょう?」と瑠璃子。
「まあ、そうですね。佐々木中尉の下船は特別なのでしょうか」と恵子。
「佐々木中尉は関係者なの」と瑠璃子。
「佐々木中尉も神様なのでしょうか」と綾子。
「違います!」と孝子。「私の父の佐々木中将は涙の魔術師を撃った張本人だからです!」
部屋がざわついた。
「そのような言い方をすると誤解を受けるわよ」と瑠璃子。
「誤解ではありません」と孝子。
「私が説明します。長野の統合本部の佐々木武史議長は涙の魔術師暗殺作戦の現場の指揮官だったのよ」と瑠璃子。「上からの命令で作戦指揮を執っただけのことです」
「卑怯なだまし討ちです。友人だった父が涙の魔術師を安心させて、後ろから撃ったのです」と孝子。「父はそのことをとても後悔していました。軍の命令など無視するべきだったと」
「個人的な感情で行動する人じゃないでしょ、あなたのお父様は」と瑠璃子。「佐々木中将は立派な軍人よ」
「私は父の身代わりとしてここに送られてきたのです。あなたたちとは違うのです。私はあなたたちのように、高い志を持った立派な人間じゃない」と孝子。
「あなたは立派に職責を果たしています。わが艦隊の航空隊の指揮官なのですよ」と瑠璃子。
「そんな立場は建前です。私は何も役に立っていません。航空隊の戦力なんて、艦長が搭乗したウィッチ偵察機の戦力の足元にも及びません」と孝子。
「君のことを悠木は高く買っていたよ。優秀な戦闘指揮官だと」と桐子。「でなければ、あいつは君の面倒を見たりしない。君の相手をするとき、あいつはとても楽しそうだ」
「本当ですか?」と孝子。
「あなたは私を役立たずな艦隊司令だと思っているでしょう」と瑠璃子。「私がいなくても、あなたたちだけで艦隊を運用できるはずです」
「そんなことはありません」と孝子。
「内親王の私が朝風に乗艦している理由の一つは、人質です。悠木君の不安を払しょくするための」と瑠璃子。「つまり後ろから撃たれないことを保証するためです。それから二番艦夕霧の艦長を桐子さんが勤めるのも同じ理由です」
「でもなぜ私たちの防空隊なのでしょうか。正規の宇宙軍ではなくて」と恵子。
「あの子が海軍を嫌っているからよ。防空隊は軍ではないし、制服が違うでしょ」と瞳。「何より海軍とすこし文化が違うからいいのよ」
「そうでしょうか?」と恵子。
「正規の連合海軍の戦艦で、子供艦長なんて受け入れられると思う?」と瞳。
「分かってもらえたかしら」と瞳。「悠木にはあなたたちが必要なのよ。女子高生士官のあなたたちが」