「遅いよ、相棒……」
礼も言わずにゆっくりと立ち上がる恭吾。涙目で必死に笑顔を作っている。
「な、何言ってんのよ、ありがとう時巻君。でもどうして……?」
「俺は恭吾のピンチには必ず駆けつけるよ」
夕日が照らす時巻は、とろける笑顔を向けてくる。葉の浅い枯木が立ち並ぶ山と歴史ある校舎を背負ったヒーローは、惜しみなくその眩しい光線を放ちコントラストを成す。
(カッコいいじゃないか相変わらず……今回の時巻の『見せ場』を作ってやったのは『貸し』にしておこう……)
恭吾は精一杯笑顔を避ける。ふと恋実に目を寄せると口は半開きで目はハートに変わっている。
「と、時巻、後はもういい。こっちでやるから」
『持っている男』と『そうでない男』、その格差は心までその貧富の差を曝け出させる。
「用があったんだよ、恭吾。学生服が何かおかしいから恭吾に聞こうと思って……昨日から何か鉄にくっつくんだよね」
そう言えば時巻のは超強力に着磁させておいたのを忘れていた。