ep11 ナオミ②

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 ナオミと一対一になる。
 正直、ミックがいなくなった途端、心細い気持ちに見舞われていた。
 経験値の浅い俺には、これからどうすればいいのかがわからない。喧嘩すらしたことない奴が竹槍一本持たされて戦場に立たされたようなもの。こんなカワイイ敵を相手に、弱小歩兵の俺は一体どうすれば……。
  
「クロー? どうかしたの?」

「あ、いや、なんでもないよ!」

「そう」

「あの! か、カンパイしようか!」

「でもクローのグラス、空だよ?」

「あれ、もう飲んじゃってたか…」

「じゃあ頼みにいこう。あたしもこれ飲んじゃうから」

 ナオミはグラスに残っていた酒をクイッと一気に飲み干した。その濡れた口元、強調される顎から首のライン、グラスを握る指、すべてが色っぽい。

「……ん。じゃ、いこ」

 ナオミはうふふと微笑んで俺と腕を組むと、バーカウンターまで俺を引っ張るように歩きだした。
 なすがままの俺は、肘にぶつかるナオミの横胸の感触に心を奪われた。
 俺が向かっている先は、バーカウンターなのか? パイカウンターなのか?

「じゃ、注文しよ」

 ナオミに言われるがまま、自分の分とナオミの分の酒を注文し、再び元の場所へと戻った。

「カンパーイ!」

 グラスをカチンと鳴らし、酒を口に含むふたり。俺はまたまた勢いよくグーッと一気に飲み干した。オドオドする気持ちが木っ端微塵に消し飛ぶぐらい、もっともっと酔っ払いたかったから。

「スゴーイ。クローって意外と飲むんだね」

「ま、まあ」

「じゃ、あたしももっと飲んじゃう」

 俺につられるように、ナオミも一気に飲み干した。

「ぷはぁー! いっきに飲んじゃったぁ」

「アハハ。ナオミさんもやるね」

「ナオミでいいよ」

「わ、わかったよ。ナオミ」

「うふふ。クローって、カワイイ」

「そ、そう? ナオミのほうが……」

「あたしのほうが?」

「もっとずっと……」

「もっとずっと?」

「か、カワイイ…….」

「ねえねえ」

「なに?」

「あそこ、今あいたよ。すわらない?」

「いいよ」

「じゃ、あたしが席とっておくからクローはお酒たのんできてくれる?」

「うん、わかったよ」

 ほどなくして俺とナオミはカウンター席の端の方に並んで腰かけた。肩と肩が触れるぐらいにピッタリとくっついて。
 すでに俺はだいぶ酔いが回ってきていた。勢い良く飲んでいるのだから当然だが、アルコールのせいだけでもない。はじめての場所、なれない空気、人混み、そして目の前の美女……。
 何杯もグラスを空け、頭がボンヤリしていくのに比例して、俺はどんどん気が大きくなっていった。持ち前の人見知りからくる戸惑いやためらいもなくなっていった。気がつけば、ナオミとのやり取りを心おきなく楽しんでいた。 

「クロー、顔あかいよ? フフフ…」

「そう? どんどん飲んでるからね。でも、ナオミもあかいよ」

「これはチーク。そんなにあかくないよ。あたしはまだそこまで酔ってないし」

「そうなの? じゃあもっともっと飲みなよ」

「そうやって酔いつぶそうとしてるんでしょ?」

「そんなことしないよ!」

「ほんとぉ?」

「まあ、俺はけっこう酔ってるけどね」

「だよね」

「キミにね」

「なにそれ、口説くのヘタすぎ!」 

「わ、笑わそうと思って言っただけだよ!」

「そうなの? でも、クローが言うとカワイイかも」

「そんなナオミが一番カワイイかも」

「う〜ん、四十点」

「採点キビシイな!」

「もっと上手に口説いてくーだーさーいー」

「ナオミ王国の城壁は高いな〜」

「あたしって国なの? アハハハ!」

 俺はナオミとバカみたいに会話を交わしながら、彼女の匂いを感じていた。澄んでいるようで色のある、かぐわしいニオイ。
 それだけじゃない。スキをついては、ナオミのあらゆる箇所を舐めるようにチェックした。唇、胸元、指先、腰、お尻、太もも、etc……。

「アハハハ!」

 笑いながら、次第にナオミが俺に頭をもたげてくる。俺はそのまま彼女の肩を抱きよせた。

「ウフフ…」

 ナオミはうっとりと微笑みながら片方の腕を俺の首に巻きつけてくる。彼女の魅惑的なふくらみが遠慮なく俺の身体に接触する。

「フフ……」

 気がつけば、ふたりの手は自然と絡み合うように握り合っていた。


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 ナオミと一対一になる。
 正直、ミックがいなくなった途端、心細い気持ちに見舞われていた。
 経験値の浅い俺には、これからどうすればいいのかがわからない。喧嘩すらしたことない奴が竹槍一本持たされて戦場に立たされたようなもの。こんなカワイイ敵を相手に、弱小歩兵の俺は一体どうすれば……。
「クロー? どうかしたの?」
「あ、いや、なんでもないよ!」
「そう」
「あの! か、カンパイしようか!」
「でもクローのグラス、空だよ?」
「あれ、もう飲んじゃってたか…」
「じゃあ頼みにいこう。あたしもこれ飲んじゃうから」
 ナオミはグラスに残っていた酒をクイッと一気に飲み干した。その濡れた口元、強調される顎から首のライン、グラスを握る指、すべてが色っぽい。
「……ん。じゃ、いこ」
 ナオミはうふふと微笑んで俺と腕を組むと、バーカウンターまで俺を引っ張るように歩きだした。
 なすがままの俺は、肘にぶつかるナオミの横胸の感触に心を奪われた。
 俺が向かっている先は、バーカウンターなのか? パイカウンターなのか?
「じゃ、注文しよ」
 ナオミに言われるがまま、自分の分とナオミの分の酒を注文し、再び元の場所へと戻った。
「カンパーイ!」
 グラスをカチンと鳴らし、酒を口に含むふたり。俺はまたまた勢いよくグーッと一気に飲み干した。オドオドする気持ちが木っ端微塵に消し飛ぶぐらい、もっともっと酔っ払いたかったから。
「スゴーイ。クローって意外と飲むんだね」
「ま、まあ」
「じゃ、あたしももっと飲んじゃう」
 俺につられるように、ナオミも一気に飲み干した。
「ぷはぁー! いっきに飲んじゃったぁ」
「アハハ。ナオミさんもやるね」
「ナオミでいいよ」
「わ、わかったよ。ナオミ」
「うふふ。クローって、カワイイ」
「そ、そう? ナオミのほうが……」
「あたしのほうが?」
「もっとずっと……」
「もっとずっと?」
「か、カワイイ…….」
「ねえねえ」
「なに?」
「あそこ、今あいたよ。すわらない?」
「いいよ」
「じゃ、あたしが席とっておくからクローはお酒たのんできてくれる?」
「うん、わかったよ」
 ほどなくして俺とナオミはカウンター席の端の方に並んで腰かけた。肩と肩が触れるぐらいにピッタリとくっついて。
 すでに俺はだいぶ酔いが回ってきていた。勢い良く飲んでいるのだから当然だが、アルコールのせいだけでもない。はじめての場所、なれない空気、人混み、そして目の前の美女……。
 何杯もグラスを空け、頭がボンヤリしていくのに比例して、俺はどんどん気が大きくなっていった。持ち前の人見知りからくる戸惑いやためらいもなくなっていった。気がつけば、ナオミとのやり取りを心おきなく楽しんでいた。 
「クロー、顔あかいよ? フフフ…」
「そう? どんどん飲んでるからね。でも、ナオミもあかいよ」
「これはチーク。そんなにあかくないよ。あたしはまだそこまで酔ってないし」
「そうなの? じゃあもっともっと飲みなよ」
「そうやって酔いつぶそうとしてるんでしょ?」
「そんなことしないよ!」
「ほんとぉ?」
「まあ、俺はけっこう酔ってるけどね」
「だよね」
「キミにね」
「なにそれ、口説くのヘタすぎ!」 
「わ、笑わそうと思って言っただけだよ!」
「そうなの? でも、クローが言うとカワイイかも」
「そんなナオミが一番カワイイかも」
「う〜ん、四十点」
「採点キビシイな!」
「もっと上手に口説いてくーだーさーいー」
「ナオミ王国の城壁は高いな〜」
「あたしって国なの? アハハハ!」
 俺はナオミとバカみたいに会話を交わしながら、彼女の匂いを感じていた。澄んでいるようで色のある、かぐわしいニオイ。
 それだけじゃない。スキをついては、ナオミのあらゆる箇所を舐めるようにチェックした。唇、胸元、指先、腰、お尻、太もも、etc……。
「アハハハ!」
 笑いながら、次第にナオミが俺に頭をもたげてくる。俺はそのまま彼女の肩を抱きよせた。
「ウフフ…」
 ナオミはうっとりと微笑みながら片方の腕を俺の首に巻きつけてくる。彼女の魅惑的なふくらみが遠慮なく俺の身体に接触する。
「フフ……」
 気がつけば、ふたりの手は自然と絡み合うように握り合っていた。