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4

ー/ー



啓太(けいた)って、あたしのこと、本当に好き?」
「……うん、好きだよ」

 彼女がそう聞いてくる理由はわかっていた。けれど、だからといって自力でどうにかできるものでもなかった。

 頬を赤くし、瞳を潤ませた彼女の表情を見ても、その下の豊かなふたつのふくらみを見ても、俺の中心には熱が生まれなかった。

 もっと下まで行って、最も鋭敏な彼女の中心を撫でてみても、その先の湿度の高い場所に指先を沈めてみても、俺という男はまるで無反応だった。

 だが俺には、彼女に恥をかかせてはいけないという人並みの義務感があった。
 幸いなことに俺は手が大きかったし、指も成人男性の平均より太くて長い自覚があった。

 俺の指先は彼女の弱点を正確に捉え、その場所を同じスピードで長い時間、刺激し続けることができた。

 加えて器用だったので、空いたもう片方の手や唇や舌で、別の場所の官能を同時に生み出せた。

「ふぁ、だ、め……もうっ」

 彼女の中は最後にはいつも、俺の指を食い千切らんばかりに締めつけた。
 顎を逸らし、背をのけぞらせた彼女の姿は、小学生のころに体育の授業でやらされたブリッジを思い起こさせた。

 息が整うと、彼女は俺に口淫した。無駄なのに。

「今日も駄目? 無理?」
「ごめん」
「啓太って、あたしのこと、本当に好き?」
「……うん、好きだよ」
「あたしも好き。だけど――」

 口の周りを唾液で濡らした全裸の彼女が、その頬までをも濡らす。

「あたし……もう、つらいかなぁ……」

 さよならを告げられても、俺は全然つらくなかった。


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「|啓太《けいた》って、あたしのこと、本当に好き?」
「……うん、好きだよ」
 彼女がそう聞いてくる理由はわかっていた。けれど、だからといって自力でどうにかできるものでもなかった。
 頬を赤くし、瞳を潤ませた彼女の表情を見ても、その下の豊かなふたつのふくらみを見ても、俺の中心には熱が生まれなかった。
 もっと下まで行って、最も鋭敏な彼女の中心を撫でてみても、その先の湿度の高い場所に指先を沈めてみても、俺という男はまるで無反応だった。
 だが俺には、彼女に恥をかかせてはいけないという人並みの義務感があった。
 幸いなことに俺は手が大きかったし、指も成人男性の平均より太くて長い自覚があった。
 俺の指先は彼女の弱点を正確に捉え、その場所を同じスピードで長い時間、刺激し続けることができた。
 加えて器用だったので、空いたもう片方の手や唇や舌で、別の場所の官能を同時に生み出せた。
「ふぁ、だ、め……もうっ」
 彼女の中は最後にはいつも、俺の指を食い千切らんばかりに締めつけた。
 顎を逸らし、背をのけぞらせた彼女の姿は、小学生のころに体育の授業でやらされたブリッジを思い起こさせた。
 息が整うと、彼女は俺に口淫した。無駄なのに。
「今日も駄目? 無理?」
「ごめん」
「啓太って、あたしのこと、本当に好き?」
「……うん、好きだよ」
「あたしも好き。だけど――」
 口の周りを唾液で濡らした全裸の彼女が、その頬までをも濡らす。
「あたし……もう、つらいかなぁ……」
 さよならを告げられても、俺は全然つらくなかった。