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3

ー/ー



 レイナは別に怯えちゃいないように見えたけれど、とても静かだった。
 俺がいる間はいつも、部屋の隅に座っていた。俺が仕事でいない間にどうしているのかは知らない。

 だから俺は、ネットでビーズクッションを買って部屋の隅に置いてやった。その上で寝るかと思ったのに、レイナは何が気に入らなかったのか、別の隅のフローリングの上で寝るようになった。


 レイナはキャベツや大根よりも肉が好きだった。当然か。俺だってサラダより焼肉が好きだ。
 肉を一緒にあげると、ご飯の食べもよかった。
 レイナがたくさん食べるのを見ていると、俺は何ともいえない、むず痒いような気持ちになった。


 レイナは散歩に行きたがらなかった。
 だから俺は仕事が終わった夜、レイナを車に乗せてドライブに行くようになった。
 夜風が入るように少しだけ窓を開けてやると、レイナはそこからずっと外を眺めていた。

 近所の散歩は嫌がったのに、遊歩道のある遠い公園や遠くの埠頭なんかに連れていくと、レイナは歩きたがった。
 首輪やハーネスをしなくても、レイナは逃げなかった。俺より少し先を歩いて、時々、俺がついてきているか確かめるように振り向くのだ。

 可愛い。

 むず痒さの正体に気がついた。


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 レイナは別に怯えちゃいないように見えたけれど、とても静かだった。
 俺がいる間はいつも、部屋の隅に座っていた。俺が仕事でいない間にどうしているのかは知らない。
 だから俺は、ネットでビーズクッションを買って部屋の隅に置いてやった。その上で寝るかと思ったのに、レイナは何が気に入らなかったのか、別の隅のフローリングの上で寝るようになった。
 レイナはキャベツや大根よりも肉が好きだった。当然か。俺だってサラダより焼肉が好きだ。
 肉を一緒にあげると、ご飯の食べもよかった。
 レイナがたくさん食べるのを見ていると、俺は何ともいえない、むず痒いような気持ちになった。
 レイナは散歩に行きたがらなかった。
 だから俺は仕事が終わった夜、レイナを車に乗せてドライブに行くようになった。
 夜風が入るように少しだけ窓を開けてやると、レイナはそこからずっと外を眺めていた。
 近所の散歩は嫌がったのに、遊歩道のある遠い公園や遠くの埠頭なんかに連れていくと、レイナは歩きたがった。
 首輪やハーネスをしなくても、レイナは逃げなかった。俺より少し先を歩いて、時々、俺がついてきているか確かめるように振り向くのだ。
 可愛い。
 むず痒さの正体に気がついた。