表示設定
表示設定
目次 目次




1

ー/ー



「南野さんって彼女いるのかな」
「いそうじゃない? だっていつも爪、短いもん」

 下世話な話はせめて、本人の耳に届かないところでしてくれ。

「なあ南野、今夜飲み行かね?」
「……いや、ちょっと今夜は早く帰りたいんですよね」
「今夜はっていうか、お前いつもじゃねぇか」

 文句を言うくらいなら、当日急に誘うなよ。

「ケータさん、○○株式会社の××さんから、保留1番ッス!」
「ああ、すみません。ありがとうございます」

 俺がメンターで気やすいからって、下の名前で呼ぶんじゃない、新人。

 うっすらでいいんだよ、俺は。
 世間となんて、うっすら繋がっているだけで、十分なんだ。

 年に一度しか会わない織姫と彦星を、俺は心から合理的だと思うよ。

 太いロープを投げて寄越さないでくれ。こっちに掴む気はないんだからさ。

 掴まなかったからって、こっちの船まで飛び乗ってくるな。
 俺の船にお前たちの居場所はないんだよ。

 なあ、レイナ。

「ワンッ」


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 2


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



「南野さんって彼女いるのかな」
「いそうじゃない? だっていつも爪、短いもん」
 下世話な話はせめて、本人の耳に届かないところでしてくれ。
「なあ南野、今夜飲み行かね?」
「……いや、ちょっと今夜は早く帰りたいんですよね」
「今夜はっていうか、お前いつもじゃねぇか」
 文句を言うくらいなら、当日急に誘うなよ。
「ケータさん、○○株式会社の××さんから、保留1番ッス!」
「ああ、すみません。ありがとうございます」
 俺がメンターで気やすいからって、下の名前で呼ぶんじゃない、新人。
 うっすらでいいんだよ、俺は。
 世間となんて、うっすら繋がっているだけで、十分なんだ。
 年に一度しか会わない織姫と彦星を、俺は心から合理的だと思うよ。
 太いロープを投げて寄越さないでくれ。こっちに掴む気はないんだからさ。
 掴まなかったからって、こっちの船まで飛び乗ってくるな。
 俺の船にお前たちの居場所はないんだよ。
 なあ、レイナ。
「ワンッ」