ケージ
ー/ー真っ暗な一室。理路整然とされているその部屋には異常は無さそうだが部屋の隅の大型犬用ケージに目が行く。
「先輩。ケージの中に花瓶置かれてます。なんか…弔う感じではあるんですけど…」
言いしれぬ不快感に言葉が出てこない。
「学生机に置かれた花瓶。あの感覚でしょ。正しい」
先輩の表現の的確さに首を縦に振る。
「いるよ。そのケージの主」
首を傾げていたが、妙な気配に背筋が凍る。恐る恐る振り返るとアザや打撲痕、火傷などで見るも無残な姿になった少女がヨロヨロと。時たま、転倒し、這いながら近付いてくる。
「楽にしてやれ」
相変わらず先輩は言葉が足らない。申し訳ないと思いながら大槌で頭を粉砕した。
「良くやった。ここで躊躇する奴多くてね。コイツの話してたらお前も同じだったんだろうな」
先輩の無口さはそういう事だったのか。
その後、俺はあの怪異について調べた。少女だったそれは口にするのも悍ましい所業を受け、無残な死を遂げた。最終的には祓っても祓ってもどこにも逝けない最強の怪異になってしまったそうだ。慈悲を与えていたら膨れ上がった悲しみ、苦痛、恐怖を流し込まれた結果、精神異常を起こして自死していただろう。これが祓魔師のチュートリアルだって言うんだから恐ろしいよ。
みんなのリアクション
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真っ暗な一室。理路整然とされているその部屋には異常は無さそうだが部屋の隅の大型犬用ケージに目が行く。「先輩。ケージの中に花瓶置かれてます。なんか…弔う感じではあるんですけど…」
言いしれぬ不快感に言葉が出てこない。
「学生机に置かれた花瓶。あの感覚でしょ。正しい」
先輩の表現の的確さに首を縦に振る。
「いるよ。そのケージの主」
首を傾げていたが、妙な気配に背筋が凍る。恐る恐る振り返るとアザや打撲痕、火傷などで見るも無残な姿になった少女がヨロヨロと。時たま、転倒し、這いながら近付いてくる。
「楽にしてやれ」
相変わらず先輩は言葉が足らない。申し訳ないと思いながら大槌で頭を粉砕した。
「良くやった。ここで躊躇する奴多くてね。コイツの話してたらお前も同じだったんだろうな」
先輩の無口さはそういう事だったのか。
その後、俺はあの怪異について調べた。少女だったそれは口にするのも悍ましい所業を受け、無残な死を遂げた。最終的には祓っても祓ってもどこにも逝けない最強の怪異になってしまったそうだ。慈悲を与えていたら膨れ上がった悲しみ、苦痛、恐怖を流し込まれた結果、精神異常を起こして自死していただろう。これが祓魔師のチュートリアルだって言うんだから恐ろしいよ。