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第13話 ギルドギルドギルド

ー/ー



 少年が男の背を追って10分が経った。男は立ち止まり、こちらに振り返える。
 
「さっきから見えてたけど、ここが冒険者ギルド兼、狩人ギルドさ」

 少年は、ギルドと呼ばれた建物をぐるッと見回す。中々に大きな建物は色落ちたレンガをメインに、古ぼけた木がそれを支えるように当てられていた。

「結構……凄いんだな」

 回りと見比べるとボロい事を、少年はそう言うしか無かった。

「ね、でかいでしょ。じゃあ入るよー」

 男は、2mを優に越える、とても大きな扉を押し開けて入る。少年はそれに続き、何歩かギルドに入ると……

「ひっろいなー」

 中は、吹き抜けの天井で2階まで続いていた。そんなものを初めて見る少年は、声を漏らしながら呆然とするしか無かった。

 少し落ち着き左手側を見ると、大きく、狩人ギルド! と書かれた看板が貼ってあり、その下には退屈そうなおじさんが、ぐでぇと椅子に座っていた。
 
 そうなると、右手に見えるのが、冒険者ギルドなのだろうか。幾つかの受付と、内容はよく見えないが依頼の貼ってある掲示板がある。だが、受付には人は居ないし、どうしたんだろう。

「あれ、おっかしいな。いつもは一人くらい居るのに……」

 ここに連れてきた男も疑問に思っていた。

「おぉ、リーク久し振りだな。それと……新人か? まあいい、受付の嬢ちゃんは上で本を読んでるっつってたぜ」

 こちらに向けて、狩人ギルドのおじさんが教えてくれた。

「お、助かるよ。呼んでくるから、座ってちょっと待ってて」
 
 リークと呼ばれた男は、置いてある椅子を指して二階に上がっていった。少年はそれに座ると、丁度おじさんとやや離れて向かい合う形になった。

「ったく、リークの奴よぉ。他人二人を置いてきやがって……気まずいったらありゃしねぇ」

 おじさんは、その言葉の通り気まずいのを、少しでも和らげるためか、少年に色々聞いた。冒険者なのか? なら、なんで冒険者に? など後から思えば、単なる暇潰しに付き合わされたような物だった。

「ごめーん、図書室の奥まった場所にいて、見つけるのに時間かかっちゃった」

 リークはおおよそ受付嬢の、若い女を連れて降りてきた。

「す、すみません。いつもは人が来ない時間なので、集中して読んでたら、声にも気づかず……登録ですね。少々お待ちください」

 本をこっちに持ってくれば良いのにと思う少年の横を通って、女は受付の中に入っていった。そして、作業を始めた受付嬢に、少年は少し気になっていたことを告げる。

「すまん、俺は今、絶賛旅の最中でな。この街に留まるのは長くても2.3日。だから、今ここで登録してもマトモに活動は出来ないと思うんだが、そこら辺大丈夫なのか?」

 冬場の長旅に向かない時期しか、同じ街に留まらない予定の少年。ここで登録してもギルドの手間にしかならないだろうと考えていた。

「はい、問題無いですよ。依頼を多くこなしていけば、信頼が出来るという証拠のABCDEFのランクが与えられますが、成り立てでも組合会員である事を表すカードが貰えます。それを見せればどこでも依頼が受けれますから」

 その回答に少年は、リークの言っていたギルドの規模感の大きさを表しているなと感心する。

「そうか、それなら良かった。じゃあ頼む」

「はい、ではお名前と……指紋が欲しいのでこの粘土板にお願いします」



「それで公認狩人の証にもなるんだから、便利だよねー」

 登録が終わり、3×5cmほどの丈夫な木で出来たギルド(組合)カードを受けとる。
 
「これは……首に掛けとけば良いのか?」

 カードの端に穴が空いているし、カードとセットでヒモも貰った。その2つの用途と言えばこれしか無いだろう。
 
「そうしてるしてる人が多いね。僕もほら」

 そう言って、服をめぐるようにしながら、ギルドカードを見せくる。それを真似て、少年も着けてみる。
 
「よし……良いな」

「こう言うのも何ですが、似合ってますね。……では、依頼の受け方ですが、基本はあそこに貼ってある依頼書を剥がして、こちらに持ってきて貰えれば受けれます」

 入るときに見た掲示板を指しながら教えてくれる。そして、一息ついたと思ったら、言いきるように説明を続けた。
 
「また、森の植物など有用な物があれば、ここで買い取りますので覚えておいてください。では、良き組合ライフを」
   
 最後に、ピンと伸びた背を曲げて礼をした後、完全なニコニコ顔で固まった。

「登録も終わったし、早速依頼を受けよう! と言いたいところだけど、残ってるのは時間の掛かるやつばっかか……。今からだと厳しいね」

 そう言われて、一応掲示板を見てみる少年。
 
「領都まで荷物を……、森の奥のリンゴの木……、本当だな。今からだと夜になりそうだ」

 それに高難易度注意と書かれているのも多い。自分にはまだ早そうだ。

「あ、そうだ。仲間に聞いてみないと分からないけど、折角だし明日、一緒に依頼を受けてみないかい? 明日から僕も復帰だし、少し簡単な討伐依頼を受ける予定なんだ。ほら、体調崩してたからさ」 
 
「えっ、良いのか? じゃあお願いしたい」

 初めての仕事、先輩に勝手を教えて貰えるというなら有難い。少年は頷くことにした。
 


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みんなのリアクション

 少年が男の背を追って10分が経った。男は立ち止まり、こちらに振り返える。
「さっきから見えてたけど、ここが冒険者ギルド兼、狩人ギルドさ」
 少年は、ギルドと呼ばれた建物をぐるッと見回す。中々に大きな建物は色落ちたレンガをメインに、古ぼけた木がそれを支えるように当てられていた。
「結構……凄いんだな」
 回りと見比べるとボロい事を、少年はそう言うしか無かった。
「ね、でかいでしょ。じゃあ入るよー」
 男は、2mを優に越える、とても大きな扉を押し開けて入る。少年はそれに続き、何歩かギルドに入ると……
「ひっろいなー」
 中は、吹き抜けの天井で2階まで続いていた。そんなものを初めて見る少年は、声を漏らしながら呆然とするしか無かった。
 少し落ち着き左手側を見ると、大きく、狩人ギルド! と書かれた看板が貼ってあり、その下には退屈そうなおじさんが、ぐでぇと椅子に座っていた。
 そうなると、右手に見えるのが、冒険者ギルドなのだろうか。幾つかの受付と、内容はよく見えないが依頼の貼ってある掲示板がある。だが、受付には人は居ないし、どうしたんだろう。
「あれ、おっかしいな。いつもは一人くらい居るのに……」
 ここに連れてきた男も疑問に思っていた。
「おぉ、リーク久し振りだな。それと……新人か? まあいい、受付の嬢ちゃんは上で本を読んでるっつってたぜ」
 こちらに向けて、狩人ギルドのおじさんが教えてくれた。
「お、助かるよ。呼んでくるから、座ってちょっと待ってて」
 リークと呼ばれた男は、置いてある椅子を指して二階に上がっていった。少年はそれに座ると、丁度おじさんとやや離れて向かい合う形になった。
「ったく、リークの奴よぉ。他人二人を置いてきやがって……気まずいったらありゃしねぇ」
 おじさんは、その言葉の通り気まずいのを、少しでも和らげるためか、少年に色々聞いた。冒険者なのか? なら、なんで冒険者に? など後から思えば、単なる暇潰しに付き合わされたような物だった。
「ごめーん、図書室の奥まった場所にいて、見つけるのに時間かかっちゃった」
 リークはおおよそ受付嬢の、若い女を連れて降りてきた。
「す、すみません。いつもは人が来ない時間なので、集中して読んでたら、声にも気づかず……登録ですね。少々お待ちください」
 本をこっちに持ってくれば良いのにと思う少年の横を通って、女は受付の中に入っていった。そして、作業を始めた受付嬢に、少年は少し気になっていたことを告げる。
「すまん、俺は今、絶賛旅の最中でな。この街に留まるのは長くても2.3日。だから、今ここで登録してもマトモに活動は出来ないと思うんだが、そこら辺大丈夫なのか?」
 冬場の長旅に向かない時期しか、同じ街に留まらない予定の少年。ここで登録してもギルドの手間にしかならないだろうと考えていた。
「はい、問題無いですよ。依頼を多くこなしていけば、信頼が出来るという証拠のABCDEFのランクが与えられますが、成り立てでも組合会員である事を表すカードが貰えます。それを見せればどこでも依頼が受けれますから」
 その回答に少年は、リークの言っていたギルドの規模感の大きさを表しているなと感心する。
「そうか、それなら良かった。じゃあ頼む」
「はい、ではお名前と……指紋が欲しいのでこの粘土板にお願いします」
「それで公認狩人の証にもなるんだから、便利だよねー」
 登録が終わり、3×5cmほどの丈夫な木で出来た|ギルド《組合》カードを受けとる。
「これは……首に掛けとけば良いのか?」
 カードの端に穴が空いているし、カードとセットでヒモも貰った。その2つの用途と言えばこれしか無いだろう。
「そうしてるしてる人が多いね。僕もほら」
 そう言って、服をめぐるようにしながら、ギルドカードを見せくる。それを真似て、少年も着けてみる。
「よし……良いな」
「こう言うのも何ですが、似合ってますね。……では、依頼の受け方ですが、基本はあそこに貼ってある依頼書を剥がして、こちらに持ってきて貰えれば受けれます」
 入るときに見た掲示板を指しながら教えてくれる。そして、一息ついたと思ったら、言いきるように説明を続けた。
「また、森の植物など有用な物があれば、ここで買い取りますので覚えておいてください。では、良き組合ライフを」
 最後に、ピンと伸びた背を曲げて礼をした後、完全なニコニコ顔で固まった。
「登録も終わったし、早速依頼を受けよう! と言いたいところだけど、残ってるのは時間の掛かるやつばっかか……。今からだと厳しいね」
 そう言われて、一応掲示板を見てみる少年。
「領都まで荷物を……、森の奥のリンゴの木……、本当だな。今からだと夜になりそうだ」
 それに高難易度注意と書かれているのも多い。自分にはまだ早そうだ。
「あ、そうだ。仲間に聞いてみないと分からないけど、折角だし明日、一緒に依頼を受けてみないかい? 明日から僕も復帰だし、少し簡単な討伐依頼を受ける予定なんだ。ほら、体調崩してたからさ」 
「えっ、良いのか? じゃあお願いしたい」
 初めての仕事、先輩に勝手を教えて貰えるというなら有難い。少年は頷くことにした。