@47話
ー/ー
帰り道……今日もこれで終わりかと思うとこの高速道路がどこまでも伸びて、この道の向こうから朝日が昇ろうともいつまでも辿り着かなければいいと思ったりもした。そんなことを我に返って自覚したのなら疲れなんて跡形もなく失せていた。
それでも自宅へ着くと疲れが溢れ出る。一颯はすぐにでもベッドで横になりたいほどであったが、音色は買ってきたものを鼻歌交じりで広げていく。
「少し待っててくださいね! これを片したらすぐ作りますから」
『夕飯を食べて帰ろう』近くになじみのレストランがあると、そう一颯は提案したが、音色は前日も外食、『家庭の味』を食べた方が良いと『カレーを作る』と言い出したのだ。
家でゆっくり誰かの手料理を食べるのも久しぶりならば、夕飯ができるまでテレビなんか見ながら待つなんてことも新鮮だ。普段インターネットで欲しい情報を狙い撃ちして眺める画面を、無駄にチャンネルを回しているとスパイスの香りが漂ってくる。疲れているであろう音色に自然と頭が下がる。
(こういう時間って素敵だな……)
一颯にも穏やかでほっこりな空間が包んでいくのを感じる。これが恋人と居る空間……激しく求めるだけではない、気を許せる人との安心感。鍋を前に調理する姿を眺める温もり……。
再び疲れたなんて気持ちは霧散する。
一方音色も玉ねぎに涙しながら、作業を進める。ジャガイモ、ニンジンと切り進める傍ら、視界にテレビの前で寛ぐ一颯を確かめて、ただ野菜を切る作業に気持ちが込められたのなら、これらが気持ちのこもった料理に早変わりすることを感じる。
一人で住んでいるときの夕ご飯を作るのは、億劫な作業でしかなかった。
(美味しくな~れ)
一颯の口に合うか分からない、市販の安いルーだけれども思わずそう想ってしまう自分がいる。
◆◇◆◇
「カレーに合う酒って何だろうな?」
そう言うと手元のスマホで素早く検索する。
「『ジン』だって……ないなぁ家には……」
音色が簡単なサラダとカレーをテーブルに並べるその脇で、ガサゴソと戸棚を漁る一颯。
『これでいいじゃん!』 と取り出したのが赤ワイン。食器棚からグラスを二つ並べて赤ワインを注ぐと、 二人で『いただきます』と言葉を揃えて食べ始めた。
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それでも自宅へ着くと疲れが溢れ出る。一颯はすぐにでもベッドで横になりたいほどであったが、音色は買ってきたものを鼻歌交じりで広げていく。
「少し待っててくださいね! これを片したらすぐ作りますから」
『夕飯を食べて帰ろう』近くになじみのレストランがあると、そう一颯は提案したが、音色は前日も外食、『家庭の味』を食べた方が良いと『カレーを作る』と言い出したのだ。
家でゆっくり誰かの手料理を食べるのも久しぶりならば、夕飯ができるまでテレビなんか見ながら待つなんてことも新鮮だ。普段インターネットで欲しい情報を狙い撃ちして眺める画面を、無駄にチャンネルを回しているとスパイスの香りが漂ってくる。疲れているであろう音色に自然と頭が下がる。
(こういう時間って素敵だな……)
一颯にも穏やかでほっこりな空間が包んでいくのを感じる。これが恋人と居る空間……激しく求めるだけではない、気を許せる人との安心感。鍋を前に調理する姿を眺める温もり……。
再び疲れたなんて気持ちは霧散する。
一方音色も玉ねぎに涙しながら、作業を進める。ジャガイモ、ニンジンと切り進める傍ら、視界にテレビの前で寛ぐ一颯を確かめて、ただ野菜を切る作業に気持ちが込められたのなら、これらが気持ちのこもった料理に早変わりすることを感じる。
一人で住んでいるときの夕ご飯を作るのは、億劫な作業でしかなかった。
(美味しくな~れ)
一颯の口に合うか分からない、市販の安いルーだけれども思わずそう想ってしまう自分がいる。
◆◇◆◇
「カレーに合う酒って何だろうな?」
そう言うと手元のスマホで素早く検索する。
「『ジン』だって……ないなぁ家には……」
音色が簡単なサラダとカレーをテーブルに並べるその脇で、ガサゴソと戸棚を漁る一颯。
『これでいいじゃん!』 と取り出したのが赤ワイン。食器棚からグラスを二つ並べて赤ワインを注ぐと、 二人で『いただきます』と言葉を揃えて食べ始めた。