丁度その時。御誂え向きに、おまわりさんがステージに上がって来た。
助かった……これでこの、野蛮な教祖もお終いだ。
「おまわりしゃぁーん! 僕、イジメられてるんです! 助けて下しゃーい!」
俺はおまわりさんに訴える。
しかし……おまわりさんは、藤谷の方に事情を尋ねた。
「今日、この付近で突発的に変質者が現れたという通報を受けて来たのですが、この男で間違いないですか?」
「いえ、まぁ、俺はステージで歌っていたので、その前のことは分からないのですが……こいつが変質者であることは間違いないですね」
「そうですなぁ……何しろ、裸ですし。取り敢えず、公然わいせつ物陳列罪で逮捕しますので、身柄の引き渡しをお願いします」
「はい、そうですね」
え、いや……どういうことだ?
俺の疑問には見向きもせずに、二人は続ける。
「それにしても、とんだ災難でしたなぁ。まさか、ライブステージの途中でこんなのに巻き込まれるなんて」
「まぁ、最近は暑いですからね。暑い中のステージでは、よくあることかも知れないですね。流石にオールヌードが来たのは初めてでしたが……」
俺は警察に身柄を引き渡された。
「やめろ、何をする……俺は『裸の王様』なのだ。悪いのは、あの腐れ教祖の方なのだ。あいつを逮捕しろ……」
俺のその訴えは誰にも聞き入れられずに警察に連行され、腐れ教祖は何事もなかったかのようにライブを再開した。
公然わいせつ物陳列罪で逮捕された俺は暫く、警察の厄介になることになってしまったのだった。