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第二部・第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜⑯

ー/ー



 それでも――――――。

 ここまで、シロの機嫌が良いのは、なぜなんだろう?
 口には出さなかったが、そんな疑問について、考えていると、隣りを歩く、同級生は、

「クロが、これまで女子にモテなかった理由も、わかったしね〜。可哀想なクロ……」

などと言って、ニヤニヤと笑っている。
 先々週、オレの告白を断った人間が、ソレを言うか……。

「一ヶ月半の間に、クラスの女子に二回もフラれたんだ。モテない自覚は、十分にあるから、これ以上、傷口に塩を塗り込まないでくれ……」

 なるべく、悲壮感を出さないように、そう答えておく。

 我ながら、未練がましいことだと、自覚しているが、オレは、告白を断れたあとも、シロへの想いを断ち切れずにいた(フラレた直後は、『非モテに優しいギャル』などの二次元キャラに逃避しようとも試みたのだが、やはり無理だった)。

 春休み前に、紅野への告白を失敗したときに、

「今回のことは、はやく、忘れなきゃな……」

と感じていたことと比べると、自分でも、その気持ちの違いに驚くことがある。

 こんな風に、いま自分の隣を歩いている女子への想いがなかなか消えてくれないのは、先月、オレに対して、彼女自身が『超恋愛学』とやらを講義してくれたときに、告白をされたあとの女子の気持ちを、

「告白を断ったあとで、相手のことが気になり始めた……って、ケースも少なくないから! たとえば、『フッてから異性として見るようになった』ってこともあるし、『相手が好みの容姿に変化した』って場合や、『告白のあとでも、変わらない優しさに惹かれた』ってこともね」

と、解説していたからかも知れない。
 シロ自身の『好みの容姿』が、どんなモノなのか想像もつかないので、自分の容姿を磨くにしても、その方向性がわからないのだが……。

『フッてから異性として見るようになった』
『告白のあとでも、変わらない優しさに惹かれた』

 これらのことが本当なら、自分にも、まだ、ワンチャンはあるんじゃないか――――――?

 こんな一縷の望みにすがるようにして、白草四葉という相手に接していることに情けなさを感じながらも、いまの自分には、それ以外の手段が思い浮かばなかった。

 そうして、いまだに落ち着かないままの気持ちを抱えながら、放送室のある一階へと向かう階段を降りていると、壮馬が、たずねてきた。

「白草さんが呼ばれた理由も気になるけど……新入部員候補の一年生って、どんなヒトなんだろうね?」

「なんだ、壮馬。新入部員についても、知らされてなかったのか?」

 なにかにつけて秘密主義な面がある鳳花部長だが、自分たちの知らないところで、コ《・》ト《・》が運んでいるということは、週末に急に話しが進んだということなのだろうか?

 壮馬の言うとおり、シロが放送室に招かれたこと以上に、新入部員候補があらわれたということは、気になる点ではある。

 とはいえ、鳳花部長を筆頭に、壮馬や桃華など個性あふれるメンバーが揃う広報部に興味を持ってくれる生徒がいるということは、喜ばしいことだ。

「さてさて、どんな人材が来たのかな……?」

 意識の高さが漂う、ハイクラス転職サイトのテレビ・コマーシャルの人事担当(なのだろうか?)のような独り言を小声でつぶやきながら、放送室へと急いだ。


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 それでも――――――。
 ここまで、シロの機嫌が良いのは、なぜなんだろう?
 口には出さなかったが、そんな疑問について、考えていると、隣りを歩く、同級生は、
「クロが、これまで女子にモテなかった理由も、わかったしね〜。可哀想なクロ……」
などと言って、ニヤニヤと笑っている。
 先々週、オレの告白を断った人間が、ソレを言うか……。
「一ヶ月半の間に、クラスの女子に二回もフラれたんだ。モテない自覚は、十分にあるから、これ以上、傷口に塩を塗り込まないでくれ……」
 なるべく、悲壮感を出さないように、そう答えておく。
 我ながら、未練がましいことだと、自覚しているが、オレは、告白を断れたあとも、シロへの想いを断ち切れずにいた(フラレた直後は、『非モテに優しいギャル』などの二次元キャラに逃避しようとも試みたのだが、やはり無理だった)。
 春休み前に、紅野への告白を失敗したときに、
「今回のことは、はやく、忘れなきゃな……」
と感じていたことと比べると、自分でも、その気持ちの違いに驚くことがある。
 こんな風に、いま自分の隣を歩いている女子への想いがなかなか消えてくれないのは、先月、オレに対して、彼女自身が『超恋愛学』とやらを講義してくれたときに、告白をされたあとの女子の気持ちを、
「告白を断ったあとで、相手のことが気になり始めた……って、ケースも少なくないから! たとえば、『フッてから異性として見るようになった』ってこともあるし、『相手が好みの容姿に変化した』って場合や、『告白のあとでも、変わらない優しさに惹かれた』ってこともね」
と、解説していたからかも知れない。
 シロ自身の『好みの容姿』が、どんなモノなのか想像もつかないので、自分の容姿を磨くにしても、その方向性がわからないのだが……。
『フッてから異性として見るようになった』
『告白のあとでも、変わらない優しさに惹かれた』
 これらのことが本当なら、自分にも、まだ、ワンチャンはあるんじゃないか――――――?
 こんな一縷の望みにすがるようにして、白草四葉という相手に接していることに情けなさを感じながらも、いまの自分には、それ以外の手段が思い浮かばなかった。
 そうして、いまだに落ち着かないままの気持ちを抱えながら、放送室のある一階へと向かう階段を降りていると、壮馬が、たずねてきた。
「白草さんが呼ばれた理由も気になるけど……新入部員候補の一年生って、どんなヒトなんだろうね?」
「なんだ、壮馬。新入部員についても、知らされてなかったのか?」
 なにかにつけて秘密主義な面がある鳳花部長だが、自分たちの知らないところで、コ《・》ト《・》が運んでいるということは、週末に急に話しが進んだということなのだろうか?
 壮馬の言うとおり、シロが放送室に招かれたこと以上に、新入部員候補があらわれたということは、気になる点ではある。
 とはいえ、鳳花部長を筆頭に、壮馬や桃華など個性あふれるメンバーが揃う広報部に興味を持ってくれる生徒がいるということは、喜ばしいことだ。
「さてさて、どんな人材が来たのかな……?」
 意識の高さが漂う、ハイクラス転職サイトのテレビ・コマーシャルの人事担当(なのだろうか?)のような独り言を小声でつぶやきながら、放送室へと急いだ。