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@ 43話

ー/ー





「もしかして春高予選、2次ラウンドの日、元気がなかったのはそのせい?」


「でも2セット目はビシバシ決めてたじゃん?!」


「私のトスが良かったからでは……」


 


「ん~恋愛はバレーより難しいって菜々巳に言ったらどうなるんかな~なんて思ったら、何だか~吹っ切れた~」


 


 なんか複雑なんですけど……。


 


「そう、バレーの話に戻って思い出した、2人にはできるようになって欲しいことがある」


「パイセン、彼氏の話でサッカーを思い出したんではなく?」


「八千、うるさい!」


「それで、何ですか?」


 


「それは……東京オリンピック日本女子バレーチームが挑んだプレーよ」


 


 何の変哲もない駅のホームに唯一の不敵な笑みが映える。このタイミングでホームに電車が入ってきたのなら、私たちは慌てて言葉を投げる。


 


「東京オリンピック?」


「日本女子代表?」


 


「そう、先ずあんたたちが皆の手本になるのよ、素質あるあんたたちが。そして睦美、零華の女体を倒して日本一になる」


 


 


 持って生まれた『才能』とは所謂(いわゆる)『ギフト』という奴だ。『素質』とは物事を成功に導く要素だ。気持ちの有り様から努力や時勢と言った外因性のもの、その他あらゆるものを以って成功へと邁進でき得る心技体を備えていることを指す。


 今でこそ178センチの唯一は、中学校の途中まで体格に恵まれてはいなかった。『才能』という壁にぶつかる度に、今搭載できるフル装備を背負って挑んできた。だから唯一は知っている……『素質』というとても小さな種は見失いやすく、手を掛けないとすぐに枯れてしまう。


 


「部活は練習の場じゃないわ。練習はそれまでにやる。部活はその成果を仲間や監督に披露して、その上で教えてもらう場なのよ」


 


 成功への要素となる『素質』は育てられればオンリーワンの花が咲く。唯一はそれをずっと後輩たちに示してきた。


 


「ピアノ、習ったことない? ピアノって家で練習をして、ピアノの習い事の日は『先生に教えを乞う日』なのよ。そこで教わったことをまた家で練習する」


 


 だから私たちは部活の後自主練をする。




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「もしかして春高予選、2次ラウンドの日、元気がなかったのはそのせい?」
「でも2セット目はビシバシ決めてたじゃん?!」
「私のトスが良かったからでは……」
「ん~恋愛はバレーより難しいって菜々巳に言ったらどうなるんかな~なんて思ったら、何だか~吹っ切れた~」
 なんか複雑なんですけど……。
「そう、バレーの話に戻って思い出した、2人にはできるようになって欲しいことがある」
「パイセン、彼氏の話でサッカーを思い出したんではなく?」
「八千、うるさい!」
「それで、何ですか?」
「それは……東京オリンピック日本女子バレーチームが挑んだプレーよ」
 何の変哲もない駅のホームに唯一の不敵な笑みが映える。このタイミングでホームに電車が入ってきたのなら、私たちは慌てて言葉を投げる。
「東京オリンピック?」
「日本女子代表?」
「そう、先ずあんたたちが皆の手本になるのよ、素質あるあんたたちが。そして睦美、零華の女体を倒して日本一になる」
 持って生まれた『才能』とは|所謂《いわゆる》『ギフト』という奴だ。『素質』とは物事を成功に導く要素だ。気持ちの有り様から努力や時勢と言った外因性のもの、その他あらゆるものを以って成功へと邁進でき得る心技体を備えていることを指す。
 今でこそ178センチの唯一は、中学校の途中まで体格に恵まれてはいなかった。『才能』という壁にぶつかる度に、今搭載できるフル装備を背負って挑んできた。だから唯一は知っている……『素質』というとても小さな種は見失いやすく、手を掛けないとすぐに枯れてしまう。
「部活は練習の場じゃないわ。練習はそれまでにやる。部活はその成果を仲間や監督に披露して、その上で教えてもらう場なのよ」
 成功への要素となる『素質』は育てられればオンリーワンの花が咲く。唯一はそれをずっと後輩たちに示してきた。
「ピアノ、習ったことない? ピアノって家で練習をして、ピアノの習い事の日は『先生に教えを乞う日』なのよ。そこで教わったことをまた家で練習する」
 だから私たちは部活の後自主練をする。