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23話 パーティ

ー/ー





「ナミちゃんはどう思う?」


 先程のデンちゃんの『決断の男らしさ』はどこへやら……ナミは当然答えられない。藍もこの決断をナミに振ったデンちゃんへ不審を募らせたかもしれない。


 


「俺は、少なくとも今回のクエスト、ラン先輩と協力することは成功へ近づくと判断してる」


 デンちゃんが誰の返事を待つことなく、この言葉を続けたことでナミも藍もどこか息を吐けた。


 


「ただ、俺が先輩と組むことでナミちゃんのパフォーマンスに影響することがあるのなら、俺は先輩と組まない。ナミちゃんはクエストにおいて()俺の最高のパートナーだし」


「なるほど、僕も彼女の生産性が下がるのは望まない」


「ズルいよ、そんな言いかたって!」


「なら、こう聞くよ……僕も友達として、仲間に入れてくれないかな?」


「ダメ、なんて言えるわけないじゃないですかー」


「ごめんねナミちゃんに言わせた形にしてしまって」


「ありがとう。2人ともこれからよろしく」


「僕と安川くんがメディエ登録者で、万代さんがパーティメンバーって訳だけど、僕が万代さんだけをクエストに誘うことは絶対にしないから安心して」


 藍はナミとデンちゃんに宣言するように、ただ前方へと言葉を放つ。それを聞いた2人は心を許したんだと思う……そんな始まりだった。


 


◆◇◆◇


 


「ラン先輩の作戦はこれからどうするんですか?」


「僕はこれから兵庫、赤穂城の大石内蔵助に話をしようと思っている」


 3人は一度、クエストを一時退出してメディエと場所を移している。2Fメディエ自慢のカフェである。憩いの場として併設されているのはそれ以外にも2F食堂、3Fアルコールが飲める店、そしてB3F最新医療センター、同じくB3Fスパ施設、B4Fより下は巨大物流ターミナルがあってクエストに必要な物は、注文しておけばここで受け取れるし、在庫もたくさんあって、その場で購入もできる。


 


「俺たちも追われる身だから江戸では活動しづらいからそっち方面へ行こうと思っていたんですよね」


「ま、安川くんが初めから松之廊下で片が付くと思っていないことは知ってたさ」


「どーして?」


 ナミの好物は焼き芋だ。今日は焼き芋の蜜で作ったクラッシュゼリーと冷凍焼き芋が入ったパフェで気持ちを満たしている。


『紅はるか』は昔、茨城県のあった、ここエリア24区・チバラギの名物品となっている。今では幻の品種とも言われる最高級の芋はメディエでしか食べられない。


 


「だってこのクエストに君たちがあの郵便バイク(スーパーカブ)を持ち込みたいって申請して却下されてるのも知っているから」


「そーなの、デンちゃん?!」


「バイクを使いたいってことは、江戸から京都や兵庫に行く足として使いたかったってことかな? って」


「江戸時代に動力付きのはダメだって言われました」


 デンちゃんはピーナッツソフトをペロリと舐める。舌で舐める様は少年そのものだ。これもピーナッツが有名であった千葉県がエリアである、チバラギメディエでしか味わえない。


 


「江戸急進派の堀部は頑固でダメだ、懐柔できる余地はない、そもそもお家再興より吉良を討つことしか考えてない」


「大石内蔵助は吉良を討つよりも浅野家再興を第一に考えてる、と聞いてます」


「そーなんだ」


「でもそのために城の前でお家再興を訴えて、切腹するって案もあったらしい」「俺たちが歴史に介入したせいで、切腹(そっち)を強行されたらクエスト目標である『忠臣蔵 赤穂46義士』が失敗となってしまいますよね」


「いや、今までの経験上シーカーが直接接していないどこかで、歴史が歪むことはないはず」


「ね、今更だけど、どーして46士なの? 忠臣蔵って47士じゃないの?」


「寺坂吉右衛門が数から外されているみたいだね」


 藍はあっと言う間に完食した2人とは違い、鼻から香りを取り込んだのならゆっくりコーヒーを口に含んだ。




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「ナミちゃんはどう思う?」
 先程のデンちゃんの『決断の男らしさ』はどこへやら……ナミは当然答えられない。藍もこの決断をナミに振ったデンちゃんへ不審を募らせたかもしれない。
「俺は、少なくとも今回のクエスト、ラン先輩と協力することは成功へ近づくと判断してる」
 デンちゃんが誰の返事を待つことなく、この言葉を続けたことでナミも藍もどこか息を吐けた。
「ただ、俺が先輩と組むことでナミちゃんのパフォーマンスに影響することがあるのなら、俺は先輩と組まない。ナミちゃんはクエストにおいて|も《・》俺の最高のパートナーだし」
「なるほど、僕も彼女の生産性が下がるのは望まない」
「ズルいよ、そんな言いかたって!」
「なら、こう聞くよ……僕も友達として、仲間に入れてくれないかな?」
「ダメ、なんて言えるわけないじゃないですかー」
「ごめんねナミちゃんに言わせた形にしてしまって」
「ありがとう。2人ともこれからよろしく」
「僕と安川くんがメディエ登録者で、万代さんがパーティメンバーって訳だけど、僕が万代さんだけをクエストに誘うことは絶対にしないから安心して」
 藍はナミとデンちゃんに宣言するように、ただ前方へと言葉を放つ。それを聞いた2人は心を許したんだと思う……そんな始まりだった。
◆◇◆◇
「ラン先輩の作戦はこれからどうするんですか?」
「僕はこれから兵庫、赤穂城の大石内蔵助に話をしようと思っている」
 3人は一度、クエストを一時退出してメディエと場所を移している。2Fメディエ自慢のカフェである。憩いの場として併設されているのはそれ以外にも2F食堂、3Fアルコールが飲める店、そしてB3F最新医療センター、同じくB3Fスパ施設、B4Fより下は巨大物流ターミナルがあってクエストに必要な物は、注文しておけばここで受け取れるし、在庫もたくさんあって、その場で購入もできる。
「俺たちも追われる身だから江戸では活動しづらいからそっち方面へ行こうと思っていたんですよね」
「ま、安川くんが初めから松之廊下で片が付くと思っていないことは知ってたさ」
「どーして?」
 ナミの好物は焼き芋だ。今日は焼き芋の蜜で作ったクラッシュゼリーと冷凍焼き芋が入ったパフェで気持ちを満たしている。
『紅はるか』は昔、茨城県のあった、ここエリア24区・チバラギの名物品となっている。今では幻の品種とも言われる最高級の芋はメディエでしか食べられない。
「だってこのクエストに君たちがあの|郵便バイク《スーパーカブ》を持ち込みたいって申請して却下されてるのも知っているから」
「そーなの、デンちゃん?!」
「バイクを使いたいってことは、江戸から京都や兵庫に行く足として使いたかったってことかな? って」
「江戸時代に動力付きのはダメだって言われました」
 デンちゃんはピーナッツソフトをペロリと舐める。舌で舐める様は少年そのものだ。これもピーナッツが有名であった千葉県がエリアである、チバラギメディエでしか味わえない。
「江戸急進派の堀部は頑固でダメだ、懐柔できる余地はない、そもそもお家再興より吉良を討つことしか考えてない」
「大石内蔵助は吉良を討つよりも浅野家再興を第一に考えてる、と聞いてます」
「そーなんだ」
「でもそのために城の前でお家再興を訴えて、切腹するって案もあったらしい」「俺たちが歴史に介入したせいで、|切腹《そっち》を強行されたらクエスト目標である『忠臣蔵 赤穂46義士』が失敗となってしまいますよね」
「いや、今までの経験上シーカーが直接接していないどこかで、歴史が歪むことはないはず」
「ね、今更だけど、どーして46士なの? 忠臣蔵って47士じゃないの?」
「寺坂吉右衛門が数から外されているみたいだね」
 藍はあっと言う間に完食した2人とは違い、鼻から香りを取り込んだのならゆっくりコーヒーを口に含んだ。