@ 64話 スイープテクニック
ー/ー
「綾美! 逆転するためのベストなストーンのルートラインは?」
「ちょっとまって……」
横チンが現状から勝つための、結果の状況だけを先にリリースする。
「ナンバー1ストーンを当てて、ヒットロールで残せれば俺らのストーンが3点……ビッグエンドを作れる……逆転できる」
「……でもナンバー1ストーンを外側に弾くにはガードストーンの間を抜けてから更に深く曲がらないと……あれを避けて、さらに当てるのはハックの位置でも変えない限り普通のカールでは無理よ……」
ハックの位置は決められている。ピッチャーがプレートの幅を利かせて角度を付けた投球をするように外側から斜めに投げたりはできない。
「横チン、動チン…………」
もろチンが2人を呼んで自信なく話す。勝人がそれに対してニヤリと笑った。
「もろチン、しっかりラインコール頼んだぜ?!」
「ラインコールははみチンだ」
「そうだったな、最高のショット、頼んだぜ前チン」
前チンが投じた一投はガードストーンの間を縫ってハウスの中へと狙うような軌道のショット。更に奥にあるガードストーンの裏には明星のナンバー1ストーン=ナンバー2ストーンがある。これを動かさず、それより内側にある常ノ呂の赤いストーンをヒットロールしなければならない。当たり方によっては北藤のナンバー2ストーンも一緒に弾きかねない。そうなればナンバー3ストーンを持ってはいるものの逆転できず、負けとなる。
赤の常ノ呂ナンバー1ストーンだけをテイクアウトし、放ったストーンはロールさせ、且つ赤のナンバー4ストーンより内側に残す。それ以外逆転の目は残されていない。
スイープはストーンを運ぶ距離を伸ばすのが主目的だった。そのスイープの常識が変わった。
ストーンは減速すると曲がり始める。回転を掛け、減速し、曲がり始めてからスイープし、曲線軌道を描くストーンを遠くまで届かせる。
それを変えたのが、ストーンが直進する間にスイープで曲げる技術。右に曲げたいときは進行方向に対して右45°でブラシを往復させる。
ストーンの進行方向に対して横向きに往復させていたブラシを、意識的に進行方向に近い向きに動かす『縦っぽく掃く』感覚だ。
曲げるスイープをする際はストーンの斜め後ろ側に立つ。この『45°スイープ』は日本選手権5連覇、SC軽井沢クラブの名スイーパーの成し得た技だ。
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「綾美! 逆転するためのベストなストーンのルートラインは?」
「ちょっとまって……」
横チンが現状から勝つための、結果の状況だけを先にリリースする。
「ナンバー1ストーンを当てて、ヒットロールで残せれば俺らのストーンが3点……ビッグエンドを作れる……逆転できる」
「……でもナンバー1ストーンを外側に弾くにはガードストーンの間を抜けてから更に深く曲がらないと……あれを避けて、さらに当てるのはハックの位置でも変えない限り|普通《●●》のカールでは無理よ……」
ハックの位置は決められている。ピッチャーがプレートの幅を利かせて角度を付けた投球をするように外側から斜めに投げたりはできない。
「横チン、動チン…………」
もろチンが2人を呼んで自信なく話す。勝人がそれに対してニヤリと笑った。
「もろチン、しっかりラインコール頼んだぜ?!」
「ラインコールははみチンだ」
「そうだったな、最高のショット、頼んだぜ前チン」
前チンが投じた一投はガードストーンの間を縫ってハウスの中へと狙うような軌道のショット。更に奥にあるガードストーンの裏には明星のナンバー1ストーン=ナンバー2ストーンがある。これを動かさず、それより内側にある常ノ呂の赤いストーンをヒットロールしなければならない。当たり方によっては北藤のナンバー2ストーンも一緒に弾きかねない。そうなればナンバー3ストーンを持ってはいるものの逆転できず、負けとなる。
赤の常ノ呂ナンバー1ストーンだけをテイクアウトし、放ったストーンはロールさせ、且つ赤のナンバー4ストーンより内側に残す。それ以外逆転の目は残されていない。
スイープはストーンを運ぶ距離を伸ばすのが主目的だった。そのスイープの常識が変わった。
ストーンは減速すると曲がり始める。回転を掛け、減速し、曲がり始めてからスイープし、曲線軌道を描くストーンを遠くまで届かせる。
それを変えたのが、ストーンが直進する間に|スイープ《●●●●》で曲げる技術。右に曲げたいときは進行方向に対して右45°でブラシを往復させる。
ストーンの進行方向に対して横向きに往復させていたブラシを、意識的に進行方向に近い向きに動かす『縦っぽく掃く』感覚だ。
曲げるスイープをする際はストーンの斜め後ろ側に立つ。この『45°スイープ』は日本選手権5連覇、SC軽井沢クラブの名スイーパーの成し得た技だ。