第30話 再起の誓い

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 冒険者ギルド静岡支部の会議室は、まるで時間が止まったかのような静けさに包まれていた。
 配信のBANに全員が呆然とする。
 ドローンの画面は配信停止で見えなくなっておりコメントも表示されない。
 視聴者との繋がりが途切れた空気が重くのしかかる。

 僕たちの普段の愛らしい配信者としての明るさとは裏腹に、僕の声は怒りと決意で震えていた。
 長い髪が肩で揺れ、まるで僕の燃える心を映すようだ。
 マナミがマジック・バッグを叩き、憤慨した。
 彼女の手には、改革派とマギテックの癒着を示す書類の束が握られていた。

「お兄ちゃん、こんなの酷すぎる! 証拠まで用意したのに、マギテック、ほんと汚いよ!」
「兄の想い、みんなに届けたかった……改革派の闇、こんな風に潰されるなんて……」

 マナミの元気な声にも、いつもより鋭い怒りが混じっていた。
 一方のミリアもミスリウム・ソードを握り、涙目で呟いた。

 サキが立ち上がり、ブルーファングのトオルとルナに目配せした。彼女のワンピース姿は、戦場での派手な軽鎧とは対照的だったが、眼差しは戦士そのものだった。

「リオン、ミリア、ブルーファングも負けないよ。マギテックが配信をBANしたなら、別の方法で真相を広める。私のチャンネルでもいい、絶対諦めない!」
「配信プラットフォーム、改革派とマギテックの息がかかってる可能性ある。次の配信は別の手段考えないと」

 ルナがクールに言った。トオルが頷く。

「オフラインで証拠をギルドの保守派に渡すのも手だ。ルミナスに相談しよう」
「みんな、ありがとう。確かに今はBANされたけど、スターライトの視聴者、絶対諦めてないよ。スパチャやコメント、めっちゃ応援してくれてたよね? その絆、絶対無駄にしない!」

 僕は一通り話した後、深呼吸し、みんなを見回す。
 マナミが書類の束を手に、いつもの不敵な笑みを浮かべた。

「そうだ、お兄ちゃん! 証拠の写し、まだここにあるよ! 配信できなくても、ギルドの保守派や視聴者に直接渡せばいい!」
『スターライト、諦めるな!』
『リオンちゃん、ガンバ!』

 コメント欄は見えないが、視聴者の声が心に響く気がする。
 ミリアが剣を掲げ、決意を新たにする。

「リオンさん、マナミちゃん、サキさん、みんなの応援があれば、私、負けない。ブロンズ級昇格目指して、もっと強くなって、兄の名誉を取り戻す!」

 その瞬間、会議室のドアが再びノックされるが、今度は聞き慣れた小野田さんの声が響いた。

「リオン、ミリア、大丈夫か? 配信、BANされたって聞いたぞ。改革派の仕業だな」
「小野田さん、ルミナス! この命令書の写し、斎木さんをソロで危険な任務に送った証拠です。保守派で広めて、改革派の闇を暴いてください!」

 小野田さんが会議室に入り、増田とさん海野さんが後ろに立つ。僕は立ち上がり、書類を渡す。
 彼が書類を受け取り、頷く。

「了解した。斎木の信念、俺たちも引き継ぐ。リオン、スターライトは配信で世論を動かし続けてくれ。保守派も動くぞ」

 サキが拳を握り、笑う。

「ブルーファングもマギテック側から情報集め続けるよ。次はもっと確実な証拠を掴んで、配信でドカンとぶちかます!」

 マナミがポーションを手に、叫ぶ。

「お兄ちゃん、ミリアちゃん、サキさん、ルミナスさん、みんなでマギテックぶっ倒そう! ポーターもガンガン応援するよ!」

 この際ポーターは関係ない気がするが、マナミなりのジョークかもしれない。
 僕はカメラに向かって、動かない画面に語りかける。

「みんな、スターライト、絶対諦めないよ! 配信はBANされたけど、視聴者のスパチャと応援、めっちゃ力になってる! 斎木さんの真相、マギテックの闇、絶対暴いてみせる!」

 会議室に響く拍手。
 視聴者はいないが、僕たちの絆は揺るがない。
 ミリアがブロンズ級昇格を目指し、僕たちは次の計画を立て始める。
 マギテックの圧力は強いが、スターライトとブルーファング、ルミナスの力で、必ず突破する!

 配信プラットフォームでのBANは、配信ごとにチェックされる仕組みで、チャンネルBANではなかったので、次の配信は可能だった。
 また配信プラットフォームに猛抗議の問い合わせをしたところ、前回のBANは誤報告によるものだったと言われ「おとがめなし」という判定を貰っていた。
 一安心ではあるが、まだまだ予断は許せない。

 その後、しらばくしてギルドからは新しい依頼として東京出張のクエストを貰っていた。
 マギテックと改革派の癒着の件もあり、しばらく静岡を離れて落ち着こうという意味もあるらしい。
 また全国企業のマギテック相手だ。東京での情報収集も意味があると思われる。
 ギルドの受付でマリコさんがそう言っていた。

 ちなみにダンジョンのレベルは、難易度ではなく大きさで決まる国際指標だ。
 レベルSが超大型で日本には新宿ダンジョンのみが指定されている。
 レベルAが大型で札幌、富士樹海、名古屋、大阪、北九州、那覇の計六か所。
 レベルBが中型で約八十か所、レベルCが小型で百か所前後ある。
 新しいダンジョンはほとんど増えなくなったが、今でも数年に一個前後見つかっている。

 このレベルSの新宿ダンジョンでの調査がメインの東京出張だった。



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 冒険者ギルド静岡支部の会議室は、まるで時間が止まったかのような静けさに包まれていた。
 配信のBANに全員が呆然とする。
 ドローンの画面は配信停止で見えなくなっておりコメントも表示されない。
 視聴者との繋がりが途切れた空気が重くのしかかる。
 僕たちの普段の愛らしい配信者としての明るさとは裏腹に、僕の声は怒りと決意で震えていた。
 長い髪が肩で揺れ、まるで僕の燃える心を映すようだ。
 マナミがマジック・バッグを叩き、憤慨した。
 彼女の手には、改革派とマギテックの癒着を示す書類の束が握られていた。
「お兄ちゃん、こんなの酷すぎる! 証拠まで用意したのに、マギテック、ほんと汚いよ!」
「兄の想い、みんなに届けたかった……改革派の闇、こんな風に潰されるなんて……」
 マナミの元気な声にも、いつもより鋭い怒りが混じっていた。
 一方のミリアもミスリウム・ソードを握り、涙目で呟いた。
 サキが立ち上がり、ブルーファングのトオルとルナに目配せした。彼女のワンピース姿は、戦場での派手な軽鎧とは対照的だったが、眼差しは戦士そのものだった。
「リオン、ミリア、ブルーファングも負けないよ。マギテックが配信をBANしたなら、別の方法で真相を広める。私のチャンネルでもいい、絶対諦めない!」
「配信プラットフォーム、改革派とマギテックの息がかかってる可能性ある。次の配信は別の手段考えないと」
 ルナがクールに言った。トオルが頷く。
「オフラインで証拠をギルドの保守派に渡すのも手だ。ルミナスに相談しよう」
「みんな、ありがとう。確かに今はBANされたけど、スターライトの視聴者、絶対諦めてないよ。スパチャやコメント、めっちゃ応援してくれてたよね? その絆、絶対無駄にしない!」
 僕は一通り話した後、深呼吸し、みんなを見回す。
 マナミが書類の束を手に、いつもの不敵な笑みを浮かべた。
「そうだ、お兄ちゃん! 証拠の写し、まだここにあるよ! 配信できなくても、ギルドの保守派や視聴者に直接渡せばいい!」
『スターライト、諦めるな!』
『リオンちゃん、ガンバ!』
 コメント欄は見えないが、視聴者の声が心に響く気がする。
 ミリアが剣を掲げ、決意を新たにする。
「リオンさん、マナミちゃん、サキさん、みんなの応援があれば、私、負けない。ブロンズ級昇格目指して、もっと強くなって、兄の名誉を取り戻す!」
 その瞬間、会議室のドアが再びノックされるが、今度は聞き慣れた小野田さんの声が響いた。
「リオン、ミリア、大丈夫か? 配信、BANされたって聞いたぞ。改革派の仕業だな」
「小野田さん、ルミナス! この命令書の写し、斎木さんをソロで危険な任務に送った証拠です。保守派で広めて、改革派の闇を暴いてください!」
 小野田さんが会議室に入り、増田とさん海野さんが後ろに立つ。僕は立ち上がり、書類を渡す。
 彼が書類を受け取り、頷く。
「了解した。斎木の信念、俺たちも引き継ぐ。リオン、スターライトは配信で世論を動かし続けてくれ。保守派も動くぞ」
 サキが拳を握り、笑う。
「ブルーファングもマギテック側から情報集め続けるよ。次はもっと確実な証拠を掴んで、配信でドカンとぶちかます!」
 マナミがポーションを手に、叫ぶ。
「お兄ちゃん、ミリアちゃん、サキさん、ルミナスさん、みんなでマギテックぶっ倒そう! ポーターもガンガン応援するよ!」
 この際ポーターは関係ない気がするが、マナミなりのジョークかもしれない。
 僕はカメラに向かって、動かない画面に語りかける。
「みんな、スターライト、絶対諦めないよ! 配信はBANされたけど、視聴者のスパチャと応援、めっちゃ力になってる! 斎木さんの真相、マギテックの闇、絶対暴いてみせる!」
 会議室に響く拍手。
 視聴者はいないが、僕たちの絆は揺るがない。
 ミリアがブロンズ級昇格を目指し、僕たちは次の計画を立て始める。
 マギテックの圧力は強いが、スターライトとブルーファング、ルミナスの力で、必ず突破する!
 配信プラットフォームでのBANは、配信ごとにチェックされる仕組みで、チャンネルBANではなかったので、次の配信は可能だった。
 また配信プラットフォームに猛抗議の問い合わせをしたところ、前回のBANは誤報告によるものだったと言われ「おとがめなし」という判定を貰っていた。
 一安心ではあるが、まだまだ予断は許せない。
 その後、しらばくしてギルドからは新しい依頼として東京出張のクエストを貰っていた。
 マギテックと改革派の癒着の件もあり、しばらく静岡を離れて落ち着こうという意味もあるらしい。
 また全国企業のマギテック相手だ。東京での情報収集も意味があると思われる。
 ギルドの受付でマリコさんがそう言っていた。
 ちなみにダンジョンのレベルは、難易度ではなく大きさで決まる国際指標だ。
 レベルSが超大型で日本には新宿ダンジョンのみが指定されている。
 レベルAが大型で札幌、富士樹海、名古屋、大阪、北九州、那覇の計六か所。
 レベルBが中型で約八十か所、レベルCが小型で百か所前後ある。
 新しいダンジョンはほとんど増えなくなったが、今でも数年に一個前後見つかっている。
 このレベルSの新宿ダンジョンでの調査がメインの東京出張だった。