第19話 ミスリウムの破片

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「はーい、リオンのダンジョン配信、今日も絶好調でスタート! チーム『スターライト』、ミリアちゃんとマナミと一緒に、日本平ダンジョン三階の奥に突入だよー! 水晶のオーブもゲットしたし、今日はどんな冒険になるかな? みんな、応援よろしくね!」

 ドローンがヒカリゴケの薄暗い光に照らされた洞窟を飛び、僕リオン、ミリア、マナミの三人を映し出す。
 オーガ革の鎧にミスリウム合金のブレストプレートが光り、腰には魔鉄のショートソードとハンドガンが控える。
 ミリアはミスリウム合金のショートソードを握り、ファイアボルトの準備を整える。
 マナミはマジック・バッグを肩にかけ、ポーションと素材回収の準備万端だ。
 視聴者コメントが早速盛り上がる。

『スターライト、水晶のオーブおめ!』
『リオンちゃんのハンドガン、また見たい!』
『ミリアちゃん、ファイアボルトでガンガンいけ!』
「リオンさん、地底湖の奥、なんか不気味ですね……」

 ミリアが少し緊張した声で言う。彼女のファイアボルトはアクア・サーペント戦で大活躍し、視聴者人気も急上昇中だ。

「うん、ミリアちゃん、確かにちょっと怖いけど、スターライトのチームワークなら大丈夫! マナミ、荷物管理バッチリ?」
「お兄ちゃん、いつでもOK! 上級ポーションもバッグに入ってるよ!」
『マナミちゃん、元気すぎw』
『ポーション投げ、期待!』

 マナミがマジック・バッグを叩いてニヤリ。
 三階の奥はモンスターの出現率が高く、ブロンズ級には危険なエリア。
 今日はサキのブルーファングとは別行動で、スターライトだけで探索だ。
 サキのチャンネルは視聴者数一万三千人、スターライトは一万一千人と追い上げ中。

 通路を進むと、ヒカリゴケの光がまばらになり、岩壁に不自然な窪みが現れる。
 周りの岩は傷だらけで、戦闘の跡のようだった。
 僕がヘッドライトで照らすと、キラリと光る金属片が目に入る。
 ミリアがハッと息を呑む。

「リオンさん、これ……ミスリウムの破片じゃないですか?」
「え、マジ!? ミリアちゃん、よく気づいた! マナミ、ドローンでアップにして!」
『ミスリウム!? めっちゃレアじゃん!』
『スターライト、宝物ゲット!』
『それ、なんかヤバそうな雰囲気!』

 マナミがドローンを操作し、金属片をクローズアップ。視聴者コメントが一気に加速する。
 金属片は細かく砕けたミスリウム・ソードの破片。
 刃の装飾には、かすかに「Saiki」と刻まれている。
 僕の胸が締め付けられる。斎木直樹さんの剣だ。ミリアが震える声で呟く。

「これ、兄の……ミスリウム・ソードの破片です。こんなところで……」
「ミリアちゃん……斎木さんがここで戦った証だね。マナミ、慎重に回収して!」
「お兄ちゃん、任せて! これ、大事なものだよね……」

 マナミがマジック・バッグに破片をそっと収める。

『斎木さんの剣!?』
『ミリアちゃん、泣ける……』

 僕はカメラに向かって深呼吸し、声を張る。

「みんな、聞いて! このミスリウム・ソードの破片は、斎木直樹さんのものだよ。彼は僕たちの仲間を守るために戦って、命を落とした。僕たちスターライト、この破片を見つけたからには、斎木さんの死の真相を絶対に突き止める! 応援してくれるよね?」
『スターライト、真相究明ガンバ!』
『斎木さんの名誉、取り戻せ!』
『リオンちゃん、めっちゃ熱い!』

 視聴者数が一万二千人に急上昇。スパチャもいくつか飛んでくる。
 ダンジョン村に戻り、ギルド亭で休息。
 画面越しに、冒険者ギルド日本平支部の受付嬢、山田マリコさんが駆け寄ってくる。
 彼女の猫耳がピクピク動く。

「リオンさん、ミリアちゃん、ミスリウムの破片、持って帰ってきたんですね……実は、斎木さんについて、ちょっと噂を聞いたんです」
「え、マリコさん、どんな噂?」
「斎木さん、保守派の冒険者として、改革派と対立してたみたいなんです。改革派がマギテック社と癒着して、危険な任務を押し付けたんじゃないかって……」

 ミリアが目を丸くする。

「兄が、改革派と……やっぱり、そうだったんですね」
「うん、ミリアちゃん。斎木さんが地底湖に執着してた理由、改革派の闇と関係あるのかも。マリコさん、詳しく教えて!」

 マリコさんが声を潜める。

「ギルドの古株の間で噂なんですけど、斎木さんがソロで潜ったあの任務、実は改革派がマギテック社の利益のために仕組んだものだったって。証拠はないけど、ミスリウムの破片がその手がかりになるかも……」
『マギテック、怪しい!』
『スターライト、真相追え!』

 僕はミリアの手を握り、カメラに向かって宣言する。

「みんな、スターライトは斎木さんの想いを継ぐよ! ギルドの腐敗、絶対暴いてみせる! ミリアちゃん、マナミ、行くよ!」
「はい、リオンさん! 兄の名誉、守ります!」
「お兄ちゃん、私もガンガン応援するよ!」

 トカゲ丼を食べながら、僕たちは次の冒険を誓う。斎木さんの死には秘密がある。
 僕たちの冒険は、ただの配信じゃなくなってきた。



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「はーい、リオンのダンジョン配信、今日も絶好調でスタート! チーム『スターライト』、ミリアちゃんとマナミと一緒に、日本平ダンジョン三階の奥に突入だよー! 水晶のオーブもゲットしたし、今日はどんな冒険になるかな? みんな、応援よろしくね!」
 ドローンがヒカリゴケの薄暗い光に照らされた洞窟を飛び、僕リオン、ミリア、マナミの三人を映し出す。
 オーガ革の鎧にミスリウム合金のブレストプレートが光り、腰には魔鉄のショートソードとハンドガンが控える。
 ミリアはミスリウム合金のショートソードを握り、ファイアボルトの準備を整える。
 マナミはマジック・バッグを肩にかけ、ポーションと素材回収の準備万端だ。
 視聴者コメントが早速盛り上がる。
『スターライト、水晶のオーブおめ!』
『リオンちゃんのハンドガン、また見たい!』
『ミリアちゃん、ファイアボルトでガンガンいけ!』
「リオンさん、地底湖の奥、なんか不気味ですね……」
 ミリアが少し緊張した声で言う。彼女のファイアボルトはアクア・サーペント戦で大活躍し、視聴者人気も急上昇中だ。
「うん、ミリアちゃん、確かにちょっと怖いけど、スターライトのチームワークなら大丈夫! マナミ、荷物管理バッチリ?」
「お兄ちゃん、いつでもOK! 上級ポーションもバッグに入ってるよ!」
『マナミちゃん、元気すぎw』
『ポーション投げ、期待!』
 マナミがマジック・バッグを叩いてニヤリ。
 三階の奥はモンスターの出現率が高く、ブロンズ級には危険なエリア。
 今日はサキのブルーファングとは別行動で、スターライトだけで探索だ。
 サキのチャンネルは視聴者数一万三千人、スターライトは一万一千人と追い上げ中。
 通路を進むと、ヒカリゴケの光がまばらになり、岩壁に不自然な窪みが現れる。
 周りの岩は傷だらけで、戦闘の跡のようだった。
 僕がヘッドライトで照らすと、キラリと光る金属片が目に入る。
 ミリアがハッと息を呑む。
「リオンさん、これ……ミスリウムの破片じゃないですか?」
「え、マジ!? ミリアちゃん、よく気づいた! マナミ、ドローンでアップにして!」
『ミスリウム!? めっちゃレアじゃん!』
『スターライト、宝物ゲット!』
『それ、なんかヤバそうな雰囲気!』
 マナミがドローンを操作し、金属片をクローズアップ。視聴者コメントが一気に加速する。
 金属片は細かく砕けたミスリウム・ソードの破片。
 刃の装飾には、かすかに「Saiki」と刻まれている。
 僕の胸が締め付けられる。斎木直樹さんの剣だ。ミリアが震える声で呟く。
「これ、兄の……ミスリウム・ソードの破片です。こんなところで……」
「ミリアちゃん……斎木さんがここで戦った証だね。マナミ、慎重に回収して!」
「お兄ちゃん、任せて! これ、大事なものだよね……」
 マナミがマジック・バッグに破片をそっと収める。
『斎木さんの剣!?』
『ミリアちゃん、泣ける……』
 僕はカメラに向かって深呼吸し、声を張る。
「みんな、聞いて! このミスリウム・ソードの破片は、斎木直樹さんのものだよ。彼は僕たちの仲間を守るために戦って、命を落とした。僕たちスターライト、この破片を見つけたからには、斎木さんの死の真相を絶対に突き止める! 応援してくれるよね?」
『スターライト、真相究明ガンバ!』
『斎木さんの名誉、取り戻せ!』
『リオンちゃん、めっちゃ熱い!』
 視聴者数が一万二千人に急上昇。スパチャもいくつか飛んでくる。
 ダンジョン村に戻り、ギルド亭で休息。
 画面越しに、冒険者ギルド日本平支部の受付嬢、山田マリコさんが駆け寄ってくる。
 彼女の猫耳がピクピク動く。
「リオンさん、ミリアちゃん、ミスリウムの破片、持って帰ってきたんですね……実は、斎木さんについて、ちょっと噂を聞いたんです」
「え、マリコさん、どんな噂?」
「斎木さん、保守派の冒険者として、改革派と対立してたみたいなんです。改革派がマギテック社と癒着して、危険な任務を押し付けたんじゃないかって……」
 ミリアが目を丸くする。
「兄が、改革派と……やっぱり、そうだったんですね」
「うん、ミリアちゃん。斎木さんが地底湖に執着してた理由、改革派の闇と関係あるのかも。マリコさん、詳しく教えて!」
 マリコさんが声を潜める。
「ギルドの古株の間で噂なんですけど、斎木さんがソロで潜ったあの任務、実は改革派がマギテック社の利益のために仕組んだものだったって。証拠はないけど、ミスリウムの破片がその手がかりになるかも……」
『マギテック、怪しい!』
『スターライト、真相追え!』
 僕はミリアの手を握り、カメラに向かって宣言する。
「みんな、スターライトは斎木さんの想いを継ぐよ! ギルドの腐敗、絶対暴いてみせる! ミリアちゃん、マナミ、行くよ!」
「はい、リオンさん! 兄の名誉、守ります!」
「お兄ちゃん、私もガンガン応援するよ!」
 トカゲ丼を食べながら、僕たちは次の冒険を誓う。斎木さんの死には秘密がある。
 僕たちの冒険は、ただの配信じゃなくなってきた。