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午前二時

ー/ー



 自分の笑う声で目が覚めた。
 軽い頭痛と、ほんの少しの浮遊感。
 起きがけの頭でも、僕は僕だった。

 水を注いだグラス。
 その中に世界が映っていた。
 八月の某日、正午。天気は晴れ。景色は透明だった。
 殺人的な夏。浮かれた馬鹿と百日紅。
 歩き疲れた君はベンチに座った。
 水を差し出す手。君はひとくち呷る。
 口を拭って、笑顔で隣を見た。
 誰もいない。
 そこにいたはずの、僕がいない。
 僕だけが、映っていない。

 グラスをシンクに落とした。
 呼吸が乱れる、午前二時。
 僕の思考は震えるほど明瞭だった。
 それでも、わからない。
 どうか教えてください。

 僕は誰ですか?



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 自分の笑う声で目が覚めた。
 軽い頭痛と、ほんの少しの浮遊感。
 起きがけの頭でも、僕は僕だった。
 水を注いだグラス。
 その中に世界が映っていた。
 八月の某日、正午。天気は晴れ。景色は透明だった。
 殺人的な夏。浮かれた馬鹿と百日紅。
 歩き疲れた君はベンチに座った。
 水を差し出す手。君はひとくち呷る。
 口を拭って、笑顔で隣を見た。
 誰もいない。
 そこにいたはずの、僕がいない。
 僕だけが、映っていない。
 グラスをシンクに落とした。
 呼吸が乱れる、午前二時。
 僕の思考は震えるほど明瞭だった。
 それでも、わからない。
 どうか教えてください。
 僕は誰ですか?


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