表示設定
表示設定
目次 目次




【壱弥】戌井と小鬼

ー/ー



師匠に言われたとおり、僕は真砂の本家へ走る。鵺に乗っていけば早いんだけど、さすがに人目に付きすぎるし、そこまではなれてるわけでもないから、5分もあれば着くかな?

ほんと、油断したっていう言葉しかでない。みんな秋緋のこと…古泉さんもだけど、一番に気をかけていたから。まさか古泉さんをさらっていくなんて思ってなかった。
でも、彼女を連れ去るなんてよくやるなぁって。使役妖怪はそこまで強力ではないけど、彼女を守っているあの存在が一番ヤバいのに…そこまでは調べられなかったってことなのかなぁ?
まぁ…どこに隠しているかわからない以上、危険な状況であるのは変わらないけれど。

ふう…それにしても、相変わらず大きな門。
そっち系の住まいって思われても仕方ないよね、これは。と、それより早く伝えないと。

「ごめんくださーい!八塚壱弥です!戌井さんいらっしゃいますかー!」

秋緋の部屋になら勝手に入っても大丈夫だけど、さすがに本家にそれはできない。いくら子息の友人だとしても、不法侵入でどんな目に合うかわからないし。

しばらくして、足音が近づいてきて、門が開く。

「お待たせしてしまいまして申し訳ございませんな、ほっほっほ。今日が見学の日でございましたかな?はて、なぜおひとりでこちらに?」

「緊急なんです。戌井さんに助けてほしいと、師匠から。」

「…手短で結構です、要件を。」

にこやかに迎えてくれた戌井さん。僕の焦った様子に表情を変えて、頷きながら僕の話を聞いてくれた。

「わかりました。このような老いぼれでございますが、お力添えを致しましょう。まだまだ鼻は聞きます故、ほっほっほ。」

「お願いします!…僕はこれで戻ります!ありがとうございます!」

「壱弥くん、お待ちなさい。」

教会へ戻ろうと走り出そうとしたんだけど、呼び止められて、戌井さんが屋敷の方へ向かって誰かを呼んだ。

「砂鬼殿、砂羅殿。秋緋様の一大事にございます、八塚くんに付いて行ってくださいませんか。」

小鬼たちの名前を。あの2匹がついてきても今はそんなに役に立つわけが…

「ちー」
「みー」

ゆっくりと歩いて、戌井さんの両隣に現れた2匹。聞き覚えのあるはずの声のはずだったんだけど…しばらく成長のために本家で預かるっていうのは…こういう意味だったの?やっぱり、鬼と繋がりが強いだけあるね。

「引き留めてしまってなんですが…さぁ、急いで!」

「っ!ありがとうございます!行こう!」

前言撤回だよ、役に立たないはずがない!


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 【沙織里】愛し子


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



師匠に言われたとおり、僕は真砂の本家へ走る。鵺に乗っていけば早いんだけど、さすがに人目に付きすぎるし、そこまではなれてるわけでもないから、5分もあれば着くかな?
ほんと、油断したっていう言葉しかでない。みんな秋緋のこと…古泉さんもだけど、一番に気をかけていたから。まさか古泉さんをさらっていくなんて思ってなかった。
でも、彼女を連れ去るなんてよくやるなぁって。使役妖怪はそこまで強力ではないけど、彼女を守っているあの存在が一番ヤバいのに…そこまでは調べられなかったってことなのかなぁ?
まぁ…どこに隠しているかわからない以上、危険な状況であるのは変わらないけれど。
ふう…それにしても、相変わらず大きな門。
そっち系の住まいって思われても仕方ないよね、これは。と、それより早く伝えないと。
「ごめんくださーい!八塚壱弥です!戌井さんいらっしゃいますかー!」
秋緋の部屋になら勝手に入っても大丈夫だけど、さすがに本家にそれはできない。いくら子息の友人だとしても、不法侵入でどんな目に合うかわからないし。
しばらくして、足音が近づいてきて、門が開く。
「お待たせしてしまいまして申し訳ございませんな、ほっほっほ。今日が見学の日でございましたかな?はて、なぜおひとりでこちらに?」
「緊急なんです。戌井さんに助けてほしいと、師匠から。」
「…手短で結構です、要件を。」
にこやかに迎えてくれた戌井さん。僕の焦った様子に表情を変えて、頷きながら僕の話を聞いてくれた。
「わかりました。このような老いぼれでございますが、お力添えを致しましょう。まだまだ鼻は聞きます故、ほっほっほ。」
「お願いします!…僕はこれで戻ります!ありがとうございます!」
「壱弥くん、お待ちなさい。」
教会へ戻ろうと走り出そうとしたんだけど、呼び止められて、戌井さんが屋敷の方へ向かって誰かを呼んだ。
「砂鬼殿、砂羅殿。秋緋様の一大事にございます、八塚くんに付いて行ってくださいませんか。」
小鬼たちの名前を。あの2匹がついてきても今はそんなに役に立つわけが…
「ちー」
「みー」
ゆっくりと歩いて、戌井さんの両隣に現れた2匹。聞き覚えのあるはずの声のはずだったんだけど…しばらく成長のために本家で預かるっていうのは…こういう意味だったの?やっぱり、鬼と繋がりが強いだけあるね。
「引き留めてしまってなんですが…さぁ、急いで!」
「っ!ありがとうございます!行こう!」
前言撤回だよ、役に立たないはずがない!