ほまれ
ー/ー「……それ、本当?」
もちろん!私はウソなんてつきません!つけません!ましてやほまれちゃんに虚偽の報告なんて今までしたこと……まぁあったかもしれませんけど、この件はいたって真面目ですよ!
「そう……そっか、やっぱりどこにいてもこうなっていくのね」
怒ってます?
「怒ってるとは違う……かな。呆れるというか、諦めというか……どうしたらいいかな私は」
温かいカフェオレの入ったカップを両手で抱え、渋い顔をしているほまれちゃん。
それもそうでしょう。
この世界、管理局を信じてここで新たな生活を、ハッピーエンドを遂げようとしていたはずのほまれちゃんに、私が昨日見てきたことを伝えたのですから、そうなりましょう。
「この世界の構成もわかってたつもり。みんながここにいる理由も私と同じだと思ってた。でも、みんな『復讐』したかったんだね」
そうきましたか。
確かにひとつの言葉にしてしまえば『復讐』なのでしょう。ほまれちゃん自身もその思いが少なからずあるからこその『復讐』なのでしょう。
「もーー!みんなサイコパスじゃん!今きっとニタニタ顔で下準備してるんでしょ?!もー!こわい!こわっ!なにこの世界!」
あれ?なんかそんなに気にしてないみたいな反応?あれ?
「ねぇ」
あ、はい?なんですか?
「なーんで私に言わないのかわかる?」
そこまではちょっとわかりかねます。
「ふーん……どっちでもいいけどね?多分、神様私の力が怖いのよ」
ほう?それはどうして?
「例えばよ?このまま私がのほほんとなにも知らずにここの神様の計画のレールに乗って、私の能力を持ってこの世界の神様の思うような使い方をしてしまえば大成功だと思うのよね」
おぉ、確かに。神様、やってやったぜ!ってなりますね。
「でしょ?で、そうしようとしてるはずなんだけど、今、その神様、計画の為に力を蓄えてて、そのせいであんたのこと忘れてると思うのよね」
あっ……。
「だって、ちゃんと監視下においてたら私に情報なんて流さないようにするじゃない?私があんたと会話できること、知らないはずないじゃない?」
たしかにぃ。
「……なんか今日はキレがないわね」
逆にほまれちゃんがキレキレで感心してるんです。
「なんか失礼だけど、いいわ」
カフェオレをふたくち。ゆっくり口にした後、ほまれちゃんはまた続けます。
「逆に困るのは私に知られて、私が神様の力を使い果たすこと」
それは大いに困りますね。
「あんたのおかげでもあるんだけどさ、今はそれが出来る条件が揃いつつある。」
まだ揃っていない……?
「この世界じゃ自由に『能力』は使えないでしょ?まぁだから、少し安心してて放置されてるわけじゃない?」
なるほど、そこさえクリアしてしまえばほまれちゃんの【祈り】で消しちゃうぞ!ってやつですね!
「け、消しちゃうとか言わな……まぁ結果そうなるんだけど……ん?あんた、私の【祈り】のこともちゃんと知ってるのね?」
それはほら……私の存在自体がそれを知らないわけにはいかない存在故のものですので。悪用はしてませんよ?
「『悪用』ね?もしかしてだけど、あんたも私と同じくらい能力を昇華させてたりしてない?」
……。
「都合が悪いと黙るのやーめなさい?」
はてさて、困りました。
流石に幾度の生を繰り返した聡明な聖女。
メンタル面も鋼のようになってて、今のこの現状も簡単に受け入れ、これから先をどうするかと。
私の能力と呼ばれるものは存在そのものの力と言うところなので、昇華してるかどうかの判断はなかなかつけづらいものなのですが……干渉する力の幅はそこそこついてる、と自負してはいます。
「『天の声』という存在、だもの。ある程度の把握は出来るわ。なんで私とだけ会話できるかってのは永遠の謎だけど……ま、とりあえず提案、聞いてくれる?」
そうですか……なかなかやりますねほまれちゃん!聞くだけは聞きましょう!
「なにそれ偉そう」
ムッとした顔も可愛いですぅ!
「褒めてもなにも出ません!……ま、もし?出るとしたら?今から私があんたを『悪用』して出た結果が最高かも?ってことかな?」
おやおや?どうしましたほまれちゃん?顔がまるで、悪役令嬢みたいですよ?
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