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選別漏れ

ー/ー



 今日も楽しくおっしごと~!

「仕事するのは私、あんたはお喋りなだけでしょーがっ!」

 なにを言いますか!私はお喋りが仕事ですよ!

「気楽でいいわね……今日の担当は気乗りしないわ」

 おや?珍しく気落ち気味ですね?ここは私が励ましてあげるしかありませんね!!
 今日の食堂の日替わりランチの情報を、お伝えしますよ!

「はぁ……」

 な、なんと!ほまれちゃんの大好物!鶏の唐揚げ!

「ほんと!?……ふ、ふぅん?別に喜んでないんだからっ」

 の、ネギソースがけです。

「……もうほんとあんた嫌い」

 えー?嫌いなのはネギでしょう?私のことは好きなくせにっ!

「大嫌いよっ!!」
「え……あ……うそ……ん」

 また廊下で騒ぐから……今日の被害者はウルメくんですか?かわいそうに……告白もしてないのにフラれた気分はどうでしょうか。

「ち、違うの!今日私、選別漏れの担当で、その……」
「あぁ、三日月さんそこの作業苦手だもんね。まぁ……でも、感情の出し過ぎは気を付けたほうがいいよ」

 ウルメくんが根暗で良かったね。ダメージ凄そうだけど。

「後でちゃんとフォローしとこ……ねぇ、今日は――……ううん、なんでもないわ。さ、始めますか」

 満天の星空が埋め尽くす部屋、プラネタリウムなんか目じゃない。いつ来ても、美しいところ、ですね。

「見た目だけよ」
 見た目だけ。

 おや!久しぶりにハモっちゃいましたね!今日はいいことありそうです。

「あるかしらね……すでにランチが絶望的よ」

 無数の星の光、これは魂の輝き。命の輝き。

 数多ある世界からここに運ばれて、また数多ある世界の神によって選ばれ、再び生まれる。

 贅沢なことで、勝手なことだ。

 そしてここに集められてるのはその神から選ばれなかった魂で、その魂を世界に運ぶ仕事をさせられてる。

 無選別に、生前の記憶を消して、命という形だけを成して生まれ直す手伝い、だね。

 悪い事ではないさ、命を与えるって凄いことだと思わない?転生管理局の局員として、この選別漏れの担当をするってことは、神の代行をしてるってことですし……まぁ?私が思う、別の言い方をするとすれば。

『神の共犯者』……ってところでしょうか。

「ここと……ここ、あとこっちも……今日は多いな……」

 辛い記憶もあるけど、幸せな記憶もある。その削除作業も伴う事が、ほまれちゃんを気落ちさせてる。

 でも、仕事だから。

「んー!!ちょっと休憩!あーもーあんたがコーヒー1杯でも運んで来れたらいいのに!」

 そうですね……実体化なんて異世界の超人スキルでもない限りは無理ですね!
 まぁもし?そんなことになったら?イケメンの私に一目惚れ!なんてことになりますね!それはそれで……いいっ!

「アホなこと言ったわ、忘れてちょうだい」

 覚えておきます!ずっと!永久に!

「あーやかまし!お昼までには絶対終わらすんだからっ!」

 ほまれちゃんね、選別漏れのの作業の時は、いつもよりいっぱい、お話してくれるんだ。ほまれちゃんがここの担当の時は、私がこの私であることを、誇りに思うよ。

「ん~!おいしい~!さくさくじゅうしぃ~!」
「唐揚げの時は本当に幸せそうだよね、ほまれは」

 単純にネギソースなしの注文でいいことに直前で気付くほまれちゃんは、今日も可愛いのでした。


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 今日も楽しくおっしごと~!
「仕事するのは私、あんたはお喋りなだけでしょーがっ!」
 なにを言いますか!私はお喋りが仕事ですよ!
「気楽でいいわね……今日の担当は気乗りしないわ」
 おや?珍しく気落ち気味ですね?ここは私が励ましてあげるしかありませんね!!
 今日の食堂の日替わりランチの情報を、お伝えしますよ!
「はぁ……」
 な、なんと!ほまれちゃんの大好物!鶏の唐揚げ!
「ほんと!?……ふ、ふぅん?別に喜んでないんだからっ」
 の、ネギソースがけです。
「……もうほんとあんた嫌い」
 えー?嫌いなのはネギでしょう?私のことは好きなくせにっ!
「大嫌いよっ!!」
「え……あ……うそ……ん」
 また廊下で騒ぐから……今日の被害者はウルメくんですか?かわいそうに……告白もしてないのにフラれた気分はどうでしょうか。
「ち、違うの!今日私、選別漏れの担当で、その……」
「あぁ、三日月さんそこの作業苦手だもんね。まぁ……でも、感情の出し過ぎは気を付けたほうがいいよ」
 ウルメくんが根暗で良かったね。ダメージ凄そうだけど。
「後でちゃんとフォローしとこ……ねぇ、今日は――……ううん、なんでもないわ。さ、始めますか」
 満天の星空が埋め尽くす部屋、プラネタリウムなんか目じゃない。いつ来ても、美しいところ、ですね。
「見た目だけよ」
 見た目だけ。
 おや!久しぶりにハモっちゃいましたね!今日はいいことありそうです。
「あるかしらね……すでにランチが絶望的よ」
 無数の星の光、これは魂の輝き。命の輝き。
 数多ある世界からここに運ばれて、また数多ある世界の神によって選ばれ、再び生まれる。
 贅沢なことで、勝手なことだ。
 そしてここに集められてるのはその神から選ばれなかった魂で、その魂を世界に運ぶ仕事をさせられてる。
 無選別に、生前の記憶を消して、命という形だけを成して生まれ直す手伝い、だね。
 悪い事ではないさ、命を与えるって凄いことだと思わない?転生管理局の局員として、この選別漏れの担当をするってことは、神の代行をしてるってことですし……まぁ?私が思う、別の言い方をするとすれば。
『神の共犯者』……ってところでしょうか。
「ここと……ここ、あとこっちも……今日は多いな……」
 辛い記憶もあるけど、幸せな記憶もある。その削除作業も伴う事が、ほまれちゃんを気落ちさせてる。
 でも、仕事だから。
「んー!!ちょっと休憩!あーもーあんたがコーヒー1杯でも運んで来れたらいいのに!」
 そうですね……実体化なんて異世界の超人スキルでもない限りは無理ですね!
 まぁもし?そんなことになったら?イケメンの私に一目惚れ!なんてことになりますね!それはそれで……いいっ!
「アホなこと言ったわ、忘れてちょうだい」
 覚えておきます!ずっと!永久に!
「あーやかまし!お昼までには絶対終わらすんだからっ!」
 ほまれちゃんね、選別漏れのの作業の時は、いつもよりいっぱい、お話してくれるんだ。ほまれちゃんがここの担当の時は、私がこの私であることを、誇りに思うよ。
「ん~!おいしい~!さくさくじゅうしぃ~!」
「唐揚げの時は本当に幸せそうだよね、ほまれは」
 単純にネギソースなしの注文でいいことに直前で気付くほまれちゃんは、今日も可愛いのでした。