第015話 決闘
ー/ー夕方、ゴブリン討伐から帰って来たパーティ一行は、ギルドに併設されている食堂にて食事をとっていた。
「はぁ………」
溜息を吐くサーシャ。
パーティで唯一、ゴブリンを倒すことが出来なかったので仕方ないだろう。
「食事があまりのどを通らないわ」
そんな事を言いながら、サーシャはフォークを自身の受け皿の上に置いた。
(確かに…)
そんなサーシャに対し、彼女を除くパーティ一行は、心の中でそう呟いた。
コカトリスの南蛮が盛られていた皿に残された、最後の一切れを見ながら。
いつもであれば、最後の一切れをめぐってエリスと争うというのが日課であったが、それがなかったのである。
そんなサーシャを一瞥したエリスは、最後の一切れのコカトリス南蛮を口に入れて堪能したあと、口を開いた。
「お主、戦士を辞めて魔法使いになれ」
「えー、ヤダ。後衛になったらマコっちゃんと離れる事になるし」
サーシャはそう言うと、マコトの肩に自身の肩をすりすりした。
「てゆーか、エリスさんには言われてくないわね。回復呪文も使えないのに」
「ぐっ!」
痛いところを突かれたエリスは、言葉を失う。
「いや……伯母上はわたくしのため………」
直後、口を挟もうとしたリリスであったが、その口はエリスによって塞がれてしまう。
「でも……そうね………もし、私と戦ってエリスさんが勝てたら、考えなくもないわ」
「もちろん、攻撃呪文は無しでね」
サーシャはドヤ顔を決めて言う。
「ほぅ………その言葉に偽りはないかや?」
「ええ、無いわ」
「良かろう。では、勝負といこうではないか」
サーシャとエリスは、互いの目を合わせて火花を散らせた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥。
場所は変わって、ギルドに併設されている訓練場。
「エリスさん、大丈夫でしょうか………」
マコトは、サーシャがエリスに怪我をさせないか心配そうに二人を見つめながら言った。
「あぁ、それなら大丈夫大丈夫」
そう言ってマコトの肩をポンと叩いたのは、パーティのリーダーであるシロウ。
「全く……あの小娘、伯母上の前職を知らないもんだから……」
リリスは、ため息交じりに口にする。
「ボクは、エリスさんが近接で戦った所を見た事ないから楽しみだなぁ」
オフィーリアは柵に両手をつきながら嬉しそうに始まりを待っている。
「というわけさ」
「まぁ、今は 女僧侶だから、戦闘力はかなり落ちてるとは思うけど、今のサーシャくん相手なら問題ないよ」
と、締めくくったシロウ。
そして、舞台は二人へ。
「用意が出来たなら、いつでもかかって来ても良いぞ」
エリスは、武器の錫杖を地面に突き刺し立てて言う。
「んじゃ、遠慮なく行くわ」
サーシャは、そう言うと一気にエリスに距離を詰めて剣を横に振るった。
キンッ!
「これで終わりっと………って、えっ!?うそっ!?」
サーシャは、剣の腹でエリスの錫杖を弾き飛ばして、そのまま剣先をエリスの喉元に突き刺すつもりでいた。
しかし、弾き飛ばそうとした錫杖は微動だにすらしなかった。
「どうした?小娘」
エリスは、下卑を浮かべながら言う。
「くっ!このっ!このっ!!このおぉぉぉぉぉっ!!!」
キンッ! キンッ!! キンッ!!!
縦に横に斜めに、あらゆる方向からの剣撃は全てエリスの錫杖によって跳ね返されてしまう。
そして、何十合か打ち合ったのち、勝負は着いた。
キンッ!
「あぁっ!!!」
エリスの錫杖によってサーシャの剣は弾き飛ばされ、その剣先が地に突き刺さる。
「これで勝負あり……じゃな」
エリスは、錫杖の先をサーシャの顎の下に潜り込ませて、彼女の顎を上げた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥。
そして、再び、ギルド併設の食堂。
「酷いじゃない!インチキよ、イ・ン・チ・キ!!!」
サーシャは、腕を組みながら不貞腐れるように口を尖らせる。
「何を言うておるか。お主が近接での決闘を申し込んだのではないか」
「ぐっ!」
図星を突かれて、サーシャは何も言い返せなかった。
「ともかく、負けたんじゃからお主は魔法使いに転職せい」
「分かったわよ……でも、前衛どうするのよ。エリスさんが戦士に戻るの?」
「よう聞いてくれた…と言いたいところじゃが、それは明日へのお楽しみというやつじゃ」
「ギルドの窓口は、もう業務終了しておるしの」
エリスがそう言った後、パーティは真っ暗になっているギルドの窓口に目をやる。
そう、ギルドの窓口は午後5時に業務終了で即閉じられてしまうのだ。
こうして、転職問題は明日に持ち越されたのであった。
「はぁ………」
溜息を吐くサーシャ。
パーティで唯一、ゴブリンを倒すことが出来なかったので仕方ないだろう。
「食事があまりのどを通らないわ」
そんな事を言いながら、サーシャはフォークを自身の受け皿の上に置いた。
(確かに…)
そんなサーシャに対し、彼女を除くパーティ一行は、心の中でそう呟いた。
コカトリスの南蛮が盛られていた皿に残された、最後の一切れを見ながら。
いつもであれば、最後の一切れをめぐってエリスと争うというのが日課であったが、それがなかったのである。
そんなサーシャを一瞥したエリスは、最後の一切れのコカトリス南蛮を口に入れて堪能したあと、口を開いた。
「お主、戦士を辞めて魔法使いになれ」
「えー、ヤダ。後衛になったらマコっちゃんと離れる事になるし」
サーシャはそう言うと、マコトの肩に自身の肩をすりすりした。
「てゆーか、エリスさんには言われてくないわね。回復呪文も使えないのに」
「ぐっ!」
痛いところを突かれたエリスは、言葉を失う。
「いや……伯母上はわたくしのため………」
直後、口を挟もうとしたリリスであったが、その口はエリスによって塞がれてしまう。
「でも……そうね………もし、私と戦ってエリスさんが勝てたら、考えなくもないわ」
「もちろん、攻撃呪文は無しでね」
サーシャはドヤ顔を決めて言う。
「ほぅ………その言葉に偽りはないかや?」
「ええ、無いわ」
「良かろう。では、勝負といこうではないか」
サーシャとエリスは、互いの目を合わせて火花を散らせた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥。
場所は変わって、ギルドに併設されている訓練場。
「エリスさん、大丈夫でしょうか………」
マコトは、サーシャがエリスに怪我をさせないか心配そうに二人を見つめながら言った。
「あぁ、それなら大丈夫大丈夫」
そう言ってマコトの肩をポンと叩いたのは、パーティのリーダーであるシロウ。
「全く……あの小娘、伯母上の前職を知らないもんだから……」
リリスは、ため息交じりに口にする。
「ボクは、エリスさんが近接で戦った所を見た事ないから楽しみだなぁ」
オフィーリアは柵に両手をつきながら嬉しそうに始まりを待っている。
「というわけさ」
「まぁ、今は 女僧侶だから、戦闘力はかなり落ちてるとは思うけど、今のサーシャくん相手なら問題ないよ」
と、締めくくったシロウ。
そして、舞台は二人へ。
「用意が出来たなら、いつでもかかって来ても良いぞ」
エリスは、武器の錫杖を地面に突き刺し立てて言う。
「んじゃ、遠慮なく行くわ」
サーシャは、そう言うと一気にエリスに距離を詰めて剣を横に振るった。
キンッ!
「これで終わりっと………って、えっ!?うそっ!?」
サーシャは、剣の腹でエリスの錫杖を弾き飛ばして、そのまま剣先をエリスの喉元に突き刺すつもりでいた。
しかし、弾き飛ばそうとした錫杖は微動だにすらしなかった。
「どうした?小娘」
エリスは、下卑を浮かべながら言う。
「くっ!このっ!このっ!!このおぉぉぉぉぉっ!!!」
キンッ! キンッ!! キンッ!!!
縦に横に斜めに、あらゆる方向からの剣撃は全てエリスの錫杖によって跳ね返されてしまう。
そして、何十合か打ち合ったのち、勝負は着いた。
キンッ!
「あぁっ!!!」
エリスの錫杖によってサーシャの剣は弾き飛ばされ、その剣先が地に突き刺さる。
「これで勝負あり……じゃな」
エリスは、錫杖の先をサーシャの顎の下に潜り込ませて、彼女の顎を上げた。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥。
そして、再び、ギルド併設の食堂。
「酷いじゃない!インチキよ、イ・ン・チ・キ!!!」
サーシャは、腕を組みながら不貞腐れるように口を尖らせる。
「何を言うておるか。お主が近接での決闘を申し込んだのではないか」
「ぐっ!」
図星を突かれて、サーシャは何も言い返せなかった。
「ともかく、負けたんじゃからお主は魔法使いに転職せい」
「分かったわよ……でも、前衛どうするのよ。エリスさんが戦士に戻るの?」
「よう聞いてくれた…と言いたいところじゃが、それは明日へのお楽しみというやつじゃ」
「ギルドの窓口は、もう業務終了しておるしの」
エリスがそう言った後、パーティは真っ暗になっているギルドの窓口に目をやる。
そう、ギルドの窓口は午後5時に業務終了で即閉じられてしまうのだ。
こうして、転職問題は明日に持ち越されたのであった。
みんなのリアクション
まだリアクションはありません。最初の一歩を踏み出しましょう!
おすすめ作品を読み込み中です…
作者の他の作品
この作者の他作品はありません。
この作品と似た作品
似た傾向の作品は見つかりませんでした。
この作品を読んだ人が読んでいる作品
読者の傾向からおすすめできる作品がありませんでした。
おすすめ作品は現在準備中です。
おすすめ作品の取得に失敗しました。時間をおいて再度お試しください。