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「なんかもっとこう……甘い感じっていうの? 浅尾っちはあるじゃん。もう愛茉に対する表情とか言葉がいつも甘々だし溺愛してるし、5年以内にプロポーズする宣言なんてロマンチックすぎる! でも翔流には、そういうのがないっ!」
 
 一気に言うと、勢いよくパフェにフォークを突き刺した。

 七海と翔流くんは相変わらず仲良しだけど、七海の言う通り、恋人になったからといって前と雰囲気が変わったわけではない。友達から恋人に発展すると、そんな感じなのかな。

「でも、トキメキはいつか絶対に減っちゃうものだし。最初からフラットでもいいのかもよ? 波がないのって、いいことじゃない」
「そうだけどさぁ……愛茉も減っているの? トキメキ」
「うーん……前は桔平くんの全部の言動にドキドキしていたけど、いまはそういう感じじゃないし。減っていると言えば、減っているのかな。なんて言うか、ドキドキより安心感が大きいのかも」
 
 桔平くんと出会って、もうすぐ1年。付き合って10ヶ月。同棲をはじめて5ヶ月。気がついたら、あっという間に時間が流れていた。

 一緒にいるのが自然になってきたけれど、それを当たり前とは思っていない。たとえトキメキが減ったとしても、それ以上に大きくて大切なものを貰っている気がするから。

 一緒にいられることに感謝できるのは、本当に貴重だと思う。倦怠期とかマンネリって、そういう気持ちがなくなることなのかもしれないな。気をつけなくちゃ。
 
「愛茉と浅尾っちは、私の理想なのよ。ひとめ見た瞬間、お互い恋に落ちてさぁ。一気に惹かれ合ってロマンチックな感じで両想いになって、ずーっとラブラブ。しかも同棲までしちゃうなんて。あぁー私もそういう恋がしたかったっ!」

 私からすれば、最初から気を遣わずに仲良しなのもいいなぁって思ったんだけど。結局ないものねだりというか、隣の芝生は青く見えるっていうやつなのかな。

 七海にはいろいろ相談できるものの、私の整形のことや、桔平くんが子供のころから苦しんできたこととかは当然話していない。はたから見れば特に大きな悩みも抱えず、すべてが上手くいっているカップルみたいに見えるのかも。

 だけど私は、桔平くんが抱えている悩みは、思ったよりも深いような気がしている。
 そう感じたのは、この前のグループ展のときから。自分のスケッチブックをじっと眺めて、考え込むことが多くなった。

 なにかきっかけがあったのかは分からない。でも私は桔平くんの悩みには立ち入れないし、見守ることしかできなくて。やっぱり、それはもどかしかった。


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「なんかもっとこう……甘い感じっていうの? 浅尾っちはあるじゃん。もう愛茉に対する表情とか言葉がいつも甘々だし溺愛してるし、5年以内にプロポーズする宣言なんてロマンチックすぎる! でも翔流には、そういうのがないっ!」
 一気に言うと、勢いよくパフェにフォークを突き刺した。
 七海と翔流くんは相変わらず仲良しだけど、七海の言う通り、恋人になったからといって前と雰囲気が変わったわけではない。友達から恋人に発展すると、そんな感じなのかな。
「でも、トキメキはいつか絶対に減っちゃうものだし。最初からフラットでもいいのかもよ? 波がないのって、いいことじゃない」
「そうだけどさぁ……愛茉も減っているの? トキメキ」
「うーん……前は桔平くんの全部の言動にドキドキしていたけど、いまはそういう感じじゃないし。減っていると言えば、減っているのかな。なんて言うか、ドキドキより安心感が大きいのかも」
 桔平くんと出会って、もうすぐ1年。付き合って10ヶ月。同棲をはじめて5ヶ月。気がついたら、あっという間に時間が流れていた。
 一緒にいるのが自然になってきたけれど、それを当たり前とは思っていない。たとえトキメキが減ったとしても、それ以上に大きくて大切なものを貰っている気がするから。
 一緒にいられることに感謝できるのは、本当に貴重だと思う。倦怠期とかマンネリって、そういう気持ちがなくなることなのかもしれないな。気をつけなくちゃ。
「愛茉と浅尾っちは、私の理想なのよ。ひとめ見た瞬間、お互い恋に落ちてさぁ。一気に惹かれ合ってロマンチックな感じで両想いになって、ずーっとラブラブ。しかも同棲までしちゃうなんて。あぁー私もそういう恋がしたかったっ!」
 私からすれば、最初から気を遣わずに仲良しなのもいいなぁって思ったんだけど。結局ないものねだりというか、隣の芝生は青く見えるっていうやつなのかな。
 七海にはいろいろ相談できるものの、私の整形のことや、桔平くんが子供のころから苦しんできたこととかは当然話していない。はたから見れば特に大きな悩みも抱えず、すべてが上手くいっているカップルみたいに見えるのかも。
 だけど私は、桔平くんが抱えている悩みは、思ったよりも深いような気がしている。
 そう感じたのは、この前のグループ展のときから。自分のスケッチブックをじっと眺めて、考え込むことが多くなった。
 なにかきっかけがあったのかは分からない。でも私は桔平くんの悩みには立ち入れないし、見守ることしかできなくて。やっぱり、それはもどかしかった。