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ー/ー



「愛茉ちゃーん。奥のお部屋でーカフェオレを飲みませんかぁー?」

 ひと通り展示を見て回った私に、ヨネちゃんが声をかけてくれた。もしかして、ここにもコーヒーメーカーを持ってきているのかな?

「あ、いただきます」
「おっけぇ! 浅尾きゅーん、愛茉ちゃんお借りしてもいーいー? 女同士でーゆっくり話してみたいのー」
「いいけど、可愛いからって取って食うなよ」
「気をつけまぁす」

 笑顔のヨネちゃんに背中を押されて、さっきから桔平くんたちが出入りしていたドアの向こうへと案内された。

「はぁい、どうぞぉー」
「ありがとう」

 ギャラリーの奥の部屋は冷蔵庫や電子レンジも置いてあって、休憩室のようになっている。ヨネちゃんはやっぱりコーヒーメーカーを持ってきていて、大学祭のときに飲んだ美味しいカフェオレを作ってくれた。

「んふふぅ。やっぱり可愛いなぁー愛茉ちゃんって。浅尾きゅんが溺愛するのも分かるぅー」

 自分のコーヒーを淹れて向かいに座りながら、ヨネちゃんが癒しの笑顔を向けてくる。こっちも自然と笑顔になっちゃうな。

「ふたりはーどのくらい付き合っているのー?」
「えっと、去年の6月からだから、9か月くらい」
「ほうほう、なるほどぉ。やっぱり浅尾きゅんが柔らかくなったのはー愛茉ちゃんのおかげなんだねぇー」

 ヨネちゃんがコーヒーカップに口をつけた。メガネが真っ白に曇ってしまったのに、まったく気にせず熱いコーヒーを味わっている。
 
「前はねぇー少し近づくだけでスパーッ! って感じでーバッサリ斬られちゃいそうな雰囲気だったんだよねぇー。すっごく近寄りがたいからー話しかける人はほとんどいなかったしぃ」

 なんとなく想像できる。桔平くんの、人を遠ざけようとする空気。体が大きいし目つきが鋭いのもあって迫力があるから、普通は気安く話しかけられないと思う。私も最初は、桔平くんのことを怖いと思ったし。
 
「でも私と一佐くんは怖いもの知らずっていうかぁ。近寄りがたくても全然気にならなくってー。1年のときからずっと浅尾きゅんの周りウロチョロしてたんだよねぇー」

 あ、なるほど。桔平くんがヨネちゃんや小林さんを信頼している理由、分かったかも。

 ふたりとも桔平くんを色眼鏡で見ていない。有名画家の息子だなんて、一切思っていないんだ。だから一緒にいて気を遣わなくていいのかもしれない。裏表もなさそうだし。


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「愛茉ちゃーん。奥のお部屋でーカフェオレを飲みませんかぁー?」
 ひと通り展示を見て回った私に、ヨネちゃんが声をかけてくれた。もしかして、ここにもコーヒーメーカーを持ってきているのかな?
「あ、いただきます」
「おっけぇ! 浅尾きゅーん、愛茉ちゃんお借りしてもいーいー? 女同士でーゆっくり話してみたいのー」
「いいけど、可愛いからって取って食うなよ」
「気をつけまぁす」
 笑顔のヨネちゃんに背中を押されて、さっきから桔平くんたちが出入りしていたドアの向こうへと案内された。
「はぁい、どうぞぉー」
「ありがとう」
 ギャラリーの奥の部屋は冷蔵庫や電子レンジも置いてあって、休憩室のようになっている。ヨネちゃんはやっぱりコーヒーメーカーを持ってきていて、大学祭のときに飲んだ美味しいカフェオレを作ってくれた。
「んふふぅ。やっぱり可愛いなぁー愛茉ちゃんって。浅尾きゅんが溺愛するのも分かるぅー」
 自分のコーヒーを淹れて向かいに座りながら、ヨネちゃんが癒しの笑顔を向けてくる。こっちも自然と笑顔になっちゃうな。
「ふたりはーどのくらい付き合っているのー?」
「えっと、去年の6月からだから、9か月くらい」
「ほうほう、なるほどぉ。やっぱり浅尾きゅんが柔らかくなったのはー愛茉ちゃんのおかげなんだねぇー」
 ヨネちゃんがコーヒーカップに口をつけた。メガネが真っ白に曇ってしまったのに、まったく気にせず熱いコーヒーを味わっている。
「前はねぇー少し近づくだけでスパーッ! って感じでーバッサリ斬られちゃいそうな雰囲気だったんだよねぇー。すっごく近寄りがたいからー話しかける人はほとんどいなかったしぃ」
 なんとなく想像できる。桔平くんの、人を遠ざけようとする空気。体が大きいし目つきが鋭いのもあって迫力があるから、普通は気安く話しかけられないと思う。私も最初は、桔平くんのことを怖いと思ったし。
「でも私と一佐くんは怖いもの知らずっていうかぁ。近寄りがたくても全然気にならなくってー。1年のときからずっと浅尾きゅんの周りウロチョロしてたんだよねぇー」
 あ、なるほど。桔平くんがヨネちゃんや小林さんを信頼している理由、分かったかも。
 ふたりとも桔平くんを色眼鏡で見ていない。有名画家の息子だなんて、一切思っていないんだ。だから一緒にいて気を遣わなくていいのかもしれない。裏表もなさそうだし。