「そういえばさ、真理愛とおばあちゃまって確かによく似てるんだけど、イメージがちょっと違うよね。真理愛は別に『昔の女優』感ないし。もっと今っぽい?」
「うん、確かに。そっくりだけど真理愛の方が現代的な感じする」
希実が話を戻すのに、澪も真理愛の手のスマートフォンを再度確認して、納得したように頷いた。
「うーん、自分ではよくわかんない。でも、小さい頃から『そっくり』って言われてるけど、瓜二つって程じゃないと思う。目以外はそこまで似てない気もするし。そういうことかな」
真理愛が考えつつ話すのに、澪が思いついたように付け加える。
「あと、髪の色が明るいからかも。真理愛のおばあちゃんが、もともとどういう色だったのかは知らないけどさ」
「祖母は髪は黒かったみたい。確かに髪色でイメージかなり変わるよね」
「あ! そろそろ来るよ。行こ」
希実の声を合図に、連れ立って電車待ちの列の最後尾に並ぶ。
日々増える、……これからも増えて行く一方だろう家族の写真。
何かあるたびにはもちろん、何もなくても「写真を撮ろう!」と言う祖父。決して反論することなく、素直に従う祖母と父。
幼い頃は、それが祖父の趣味だからだと思っていた。
「
義兄さん、どうしたの? そんな大きいカメラ持って」
いつだったか、祖母の弟である大叔父に会った際、彼が祖父に掛けた言葉。
その時初めて、祖父は写真撮影などさして興味もなかったのだと知った。以前は、とりあえずコンパクトカメラが家に一台あったきりだそうだ。
同時に、祖父の被写体が真理愛や家族だけだということにも気づいた。
子どもの目にも立派に見えたデジタル一眼レフで撮るには、不釣り合いなほどの日常のスナップばかり。本格的な三脚も、セルフタイマーで四人一緒に写るためなのだろう。
「真理愛? ほら、乗るよ」
「あ、あ! うん」
ぼんやりしていた真理愛は、澪に肩を叩かれて慌てて笑顔を作った。
~END~