表示設定
表示設定
目次 目次




7

ー/ー



 そして週明けの月曜日。お父さんと会う日。
 私は新しい洋服を買って、目いっぱいオシャレをしていた。

「めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん」

 洗面所で髪を巻いていると、桔平くんが顔を覗かせてきた。
 
「だって、お父さんに会うの久しぶりだもん」
 
 大人っぽくなったなって、少しでも思ってもらいたい。だからホワイトのミモレ丈スカートに薄いブルーのシフォンブラウスっていう、いつもとはちょっと違うコーデにしてみた。メイクや髪型も、子供っぽくないように意識して。もちろん、桔平くんがくれたネックレスもつけている。

 桔平くんが、じっと私を見つめてきた。この癖は相変わらずだけど、これは私のことが大好きな証拠なんだもんね。だから全然嫌じゃない。
 
「綺麗だよ」

 そして、こういうことサラって言う。これにはまだ慣れなくて、顔が赤くなってしまうんだけど。
 
「あ、ありがとう。桔平くんも、すごくかっこいいよ」
「でも柄がないと落ち着かねぇや」
 
 桔平くんは爽やかなブルーのギンガムチェックのシャツ、ネイビーのテーラードジャケット、ライトベージュのスラックスという服装。そして髪は低い位置で、すっきりひとつにまとめている。
 宣言通り清潔感があって好感度高そうな格好なんだけど、完璧にかっこよすぎて胸がキュンキュンしてしまう。

「そういう服も持ってたんだね」
「一応、TPOはわきまえてるんでね。普通にスーツも持ってるし」

 多分全然着ることがないから、クローゼットの奥にあるんだろうな。私のスペースは手前の方だから、そこは未開の地なんだけど。

 桔平くんが、また凝視してくる。そして私の首筋に手を伸ばして、ネックレスに触れた。慈しむような優しい視線に胸の奥が疼く。

 桔平くんの、無言の愛情表現。最近はこういうのが増えたように思う。もともとは言葉よりも態度で表す人なんだろうな。触れられるだけで、不思議と感情が流れ込んでくる。

「……あと10分くらいで出ねぇと、遅れるよ」

 そう言って、優しく頬を撫でてくれた。

 お父さんの話がなんなのか、怖さはあるけれど。大好きな人を紹介できることは嬉しい。

 勉強も頑張っているし、いい友達にも恵まれて、優しい彼氏がそばにいてくれる。だから東京に来てよかった。幸せなんだって、ちゃんとお父さんに伝えたい。


スタンプを贈って作者を応援しよう!

次のエピソードへ進む 8


みんなのリアクション



おすすめ作品を読み込み中です…



 そして週明けの月曜日。お父さんと会う日。
 私は新しい洋服を買って、目いっぱいオシャレをしていた。
「めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん」
 洗面所で髪を巻いていると、桔平くんが顔を覗かせてきた。
「だって、お父さんに会うの久しぶりだもん」
 大人っぽくなったなって、少しでも思ってもらいたい。だからホワイトのミモレ丈スカートに薄いブルーのシフォンブラウスっていう、いつもとはちょっと違うコーデにしてみた。メイクや髪型も、子供っぽくないように意識して。もちろん、桔平くんがくれたネックレスもつけている。
 桔平くんが、じっと私を見つめてきた。この癖は相変わらずだけど、これは私のことが大好きな証拠なんだもんね。だから全然嫌じゃない。
「綺麗だよ」
 そして、こういうことサラって言う。これにはまだ慣れなくて、顔が赤くなってしまうんだけど。
「あ、ありがとう。桔平くんも、すごくかっこいいよ」
「でも柄がないと落ち着かねぇや」
 桔平くんは爽やかなブルーのギンガムチェックのシャツ、ネイビーのテーラードジャケット、ライトベージュのスラックスという服装。そして髪は低い位置で、すっきりひとつにまとめている。
 宣言通り清潔感があって好感度高そうな格好なんだけど、完璧にかっこよすぎて胸がキュンキュンしてしまう。
「そういう服も持ってたんだね」
「一応、TPOはわきまえてるんでね。普通にスーツも持ってるし」
 多分全然着ることがないから、クローゼットの奥にあるんだろうな。私のスペースは手前の方だから、そこは未開の地なんだけど。
 桔平くんが、また凝視してくる。そして私の首筋に手を伸ばして、ネックレスに触れた。慈しむような優しい視線に胸の奥が疼く。
 桔平くんの、無言の愛情表現。最近はこういうのが増えたように思う。もともとは言葉よりも態度で表す人なんだろうな。触れられるだけで、不思議と感情が流れ込んでくる。
「……あと10分くらいで出ねぇと、遅れるよ」
 そう言って、優しく頬を撫でてくれた。
 お父さんの話がなんなのか、怖さはあるけれど。大好きな人を紹介できることは嬉しい。
 勉強も頑張っているし、いい友達にも恵まれて、優しい彼氏がそばにいてくれる。だから東京に来てよかった。幸せなんだって、ちゃんとお父さんに伝えたい。