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第10話 チーム・ブレイブ

ー/ー



みんなは待ってましたとばかりに盛り上がった。
「ちょ、ちょっと待て。チームブレイブってなんだ?」

「あっ、説明忘れてたな」
樹は申し訳無さそうにしながら、説明を始めた。
「まず、オレたちはここにいる奴らに龍神を加えた6人で『チーム・ブレイブ』って組織を構成してるんだ」

「ブレイブ…『勇気』ってことか?」

「まあ、そうだな。うちのチームは、創造主がこのノワールを末永く守るために作った組織。オレたちは各属性を操る異能と不老の肉体を持ち、末永くこの世界を守る定めを与えられた、選ばれし者だ」

「いや、情報量が多いな…」

「要はな、オレたちは特別な異人なんだよ。オレたちはみんな水操、風繰…みたいに、固有の属性に関する事象を操る異能を持ってる。そして、不老息災…つまり年を取らず、病にもかからない体を持ってる」

「ほ、ほう…」
なんかよくわからんが、とにかくすごい。
「オレたちは長い間、この6人でやってきた。だが、それも今日で終わりだ」

「えっ…?」

「姜芽。お前も、オレたちの一員になるんだよ」
意味がわからない。
頭の上に?マークが飛び出した気分だ。
「お前は火を操る異能を持ってる。そして、オレたちに足りないのは火を操る者…すなわち[火操]の能力者。お前の事だ、姜芽」

「…」
わけがわからずポカンとしていると、煌汰と猶が喋りだした。
「桐生は言ってたんだ。そのうち和人を連れて来る。その時は和人に[火操]の異能を与える…ってね。だから、僕らはずっと待ってたんだ。和人…いや、姜芽が来るのをね」

「そうだ。俺達はもう何百年も待った。
後は、お前さえ来てくれれば、懐かしのメンツもみんな揃うしな」

「は、何百年…」
年を取らないってのは本当らしい。
しかし、なぜ俺だけこっちに来る…いや、招待されるのがそんな遅くなったんだろうか。

「まあ、とにかくこれで『チーム・ブレイブ』はみんな揃ったわけだ。龍神がいないのだけ残念だけど」
柳助がそう言った。

「そうだな。ところでみんな、姜芽の種族は聞いたか?」

「聞いたよ。防人、って言ってたよな?」

「あ、そうなの?」

「聞いてなかったか?」

「うん…あ、輝は『狩人』って種族だよ」
輝は…まあ、仕方あるまい。後から来たんだし。
「俺は『戦士』だ。煌汰は『騎士』だぞ」

「そうだね。ちなみに猶は『殺人者』って種族だよ」
殺人者…。キョウラからちらっと聞いてはいたが、改めて聞くとやっぱり物騒な名前の種族だ。
「おいおい、二人して人の台詞奪うなよ。あ、樹は『探求者』だぜ」

「お前も人の事言えないじゃんか。でも、オレの種族はもう姜芽知ってるぜ」

「マジか。つまんねーな」
ここで、輝が再び口を開いた。
「ねえ、今更なんだけど…そこのお嬢さんは?」

「いや、マジで今更だな…。この子はキョウラっていう修道士らしいぞ」

「修道士…?あ、確かに白いローブ着てるな」

「は、はい…猶様の仰った通り、私は修道士のキョウラと申します」

「そっか。あれ、修道士って事は光と白の魔法を使うのかな?」

「はい」

「そうなんだよ…キョウラの魔法はすごいんだ。相手の生命力を吸い取ったり、光で攻撃したり…めちゃくちゃ助けられたんだぜ」
俺はちょっと驚愕の事実のように言ったのだが、
「そりゃ、白魔法だしな」

「だな」
猶と輝はそんな反応だった。
いや、リアクション薄いな。
「…反応薄くね?」

「いや、だって白魔法の使い手なんて他にもいるし」

「そうそう。それに修道士なんてざらにいるしな」
なんか、スベった気分だ。

「…まあでも、助かるじゃん?白魔法使える奴は僕らの中にはいないんだし」
ナイスフォローだ、と煌汰に言ってやりたかった。
「それもそうだな。俺なんか魔法自体苦手だし」
柳助は魔法が苦手なのか。
まあ、戦士ってそんなイメージあるし。

「は、はは…あれ、龍神の種族は何なんだ?」

「あ、あいつか。あいつはな、『殺人鬼』だよ」

「さ、殺人鬼…?」
さらに物騒な名前が出てきた。
殺人鬼って、ホラーとかサスペンス系の映画とかドラマでしかほぼ聞かない単語なんだが。
「そうさ。数多くの者を殺した殺人者が昇格、つまり成り上がる上位種族が殺人鬼だ」

「上位種族…樹が言ってたやつか」
俺は、樹の方に目線を移しながら言った。
「ま、そうだな。あ、あとオレたちは全員、基本的に下級種族だからな?」

「そうなのか?」

「龍神な…あいつだけ、色んな意味で特別かつ例外なんだよ。オレたちは、各系統の最下級種族だ」
また知らない単語が出てきた。

「…えっと、系統、ってのがなんなのかご説明を」

「…あ、ごめんな。異人は、特定の条件を満たすと上位の種族…ま、ようは進化先とか上級職みたいなもんだな、それになれるんだ。戦士は狂戦士に、騎士は聖騎士に…って感じでな。
その昇格先は種族ごとに決まってて、特定の種族とその一連の昇格先を『系統』って総称する。で、昇格順で見た時に一番下の階級の種族の名前を取って、『防人系』とか『戦士系』っていう風に呼称するんだ」

「なるほど。…あれ、てことは俺にも昇格先があるのか?」

「ああ。防人は守人(もりびと)を経て、最終的には勇人(いさみびと)になれる。まあ、条件はわからないけどな」
守人、勇人…どっちもなかなかカッコいい響きだ。
敢えてそれ以上聞かなかったが、たぶん昇格すると能力にブーストがかかったり、新しい技を覚えたりできるんだろう。
そして俺にも、そのチャンスがあるのか…
今から楽しみだ。

「姜芽様が勇人に…素敵です。姜芽様なら、きっとなれると思います」
キョウラも期待してくれているようだ。
これは、是非とも昇格してやらないと。

「それと、異能についてだ。オレの異能が水を操るものなのは言ったよな?」

「ああ。みんなはどうなんだ?」

「猶が風、煌汰が氷、柳助が地、龍神が電、輝が光…を操る異能を持ってる。これらはこの世界の魔法の属性と同じだから、覚えておくといい」

「わかった。てか、魔法ってどうやって覚えるんだ?」
すると樹は、あー、そっか、と唸って腕を組み、何やら考え込んだ。
「まずは適正を見抜かないとな…でも、あれ…こういう時ってどこに行けばいいんだっけ?」
樹はみんなの顔を見渡したが、誰も答えを言わず困惑した。
しかし、そこにキョウラが助け舟を出した。
「でしたら、フィーリルの教会へ行きましょう。あそこの僧侶様が、属性の適正を判断できたはずです」

「そうか、そりゃ助かる。よし、さっそく行こうか…あ、みんなは待ってろよ?」

「元よりそのつもりだ。結果だけ聞けば満足だしな」
猶はそう言って席を立った。
「まあ、あんまり大人数で言っても向こうの迷惑になるしね。僕たちは待ってるよ」
煌汰も席を立ち、2階へ上がっていった。
「じゃ、決まりだな。2人はついてきてくれ」





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みんなは待ってましたとばかりに盛り上がった。「ちょ、ちょっと待て。チームブレイブってなんだ?」
「あっ、説明忘れてたな」
樹は申し訳無さそうにしながら、説明を始めた。
「まず、オレたちはここにいる奴らに龍神を加えた6人で『チーム・ブレイブ』って組織を構成してるんだ」
「ブレイブ…『勇気』ってことか?」
「まあ、そうだな。うちのチームは、創造主がこのノワールを末永く守るために作った組織。オレたちは各属性を操る異能と不老の肉体を持ち、末永くこの世界を守る定めを与えられた、選ばれし者だ」
「いや、情報量が多いな…」
「要はな、オレたちは特別な異人なんだよ。オレたちはみんな水操、風繰…みたいに、固有の属性に関する事象を操る異能を持ってる。そして、不老息災…つまり年を取らず、病にもかからない体を持ってる」
「ほ、ほう…」
なんかよくわからんが、とにかくすごい。
「オレたちは長い間、この6人でやってきた。だが、それも今日で終わりだ」
「えっ…?」
「姜芽。お前も、オレたちの一員になるんだよ」
意味がわからない。
頭の上に?マークが飛び出した気分だ。
「お前は火を操る異能を持ってる。そして、オレたちに足りないのは火を操る者…すなわち[火操]の能力者。お前の事だ、姜芽」
「…」
わけがわからずポカンとしていると、煌汰と猶が喋りだした。
「桐生は言ってたんだ。そのうち和人を連れて来る。その時は和人に[火操]の異能を与える…ってね。だから、僕らはずっと待ってたんだ。和人…いや、姜芽が来るのをね」
「そうだ。俺達はもう何百年も待った。
後は、お前さえ来てくれれば、懐かしのメンツもみんな揃うしな」
「は、何百年…」
年を取らないってのは本当らしい。
しかし、なぜ俺だけこっちに来る…いや、招待されるのがそんな遅くなったんだろうか。
「まあ、とにかくこれで『チーム・ブレイブ』はみんな揃ったわけだ。龍神がいないのだけ残念だけど」
柳助がそう言った。
「そうだな。ところでみんな、姜芽の種族は聞いたか?」
「聞いたよ。防人、って言ってたよな?」
「あ、そうなの?」
「聞いてなかったか?」
「うん…あ、輝は『狩人』って種族だよ」
輝は…まあ、仕方あるまい。後から来たんだし。
「俺は『戦士』だ。煌汰は『騎士』だぞ」
「そうだね。ちなみに猶は『殺人者』って種族だよ」
殺人者…。キョウラからちらっと聞いてはいたが、改めて聞くとやっぱり物騒な名前の種族だ。
「おいおい、二人して人の台詞奪うなよ。あ、樹は『探求者』だぜ」
「お前も人の事言えないじゃんか。でも、オレの種族はもう姜芽知ってるぜ」
「マジか。つまんねーな」
ここで、輝が再び口を開いた。
「ねえ、今更なんだけど…そこのお嬢さんは?」
「いや、マジで今更だな…。この子はキョウラっていう修道士らしいぞ」
「修道士…?あ、確かに白いローブ着てるな」
「は、はい…猶様の仰った通り、私は修道士のキョウラと申します」
「そっか。あれ、修道士って事は光と白の魔法を使うのかな?」
「はい」
「そうなんだよ…キョウラの魔法はすごいんだ。相手の生命力を吸い取ったり、光で攻撃したり…めちゃくちゃ助けられたんだぜ」
俺はちょっと驚愕の事実のように言ったのだが、
「そりゃ、白魔法だしな」
「だな」
猶と輝はそんな反応だった。
いや、リアクション薄いな。
「…反応薄くね?」
「いや、だって白魔法の使い手なんて他にもいるし」
「そうそう。それに修道士なんてざらにいるしな」
なんか、スベった気分だ。
「…まあでも、助かるじゃん?白魔法使える奴は僕らの中にはいないんだし」
ナイスフォローだ、と煌汰に言ってやりたかった。
「それもそうだな。俺なんか魔法自体苦手だし」
柳助は魔法が苦手なのか。
まあ、戦士ってそんなイメージあるし。
「は、はは…あれ、龍神の種族は何なんだ?」
「あ、あいつか。あいつはな、『殺人鬼』だよ」
「さ、殺人鬼…?」
さらに物騒な名前が出てきた。
殺人鬼って、ホラーとかサスペンス系の映画とかドラマでしかほぼ聞かない単語なんだが。
「そうさ。数多くの者を殺した殺人者が昇格、つまり成り上がる上位種族が殺人鬼だ」
「上位種族…樹が言ってたやつか」
俺は、樹の方に目線を移しながら言った。
「ま、そうだな。あ、あとオレたちは全員、基本的に下級種族だからな?」
「そうなのか?」
「龍神な…あいつだけ、色んな意味で特別かつ例外なんだよ。オレたちは、各系統の最下級種族だ」
また知らない単語が出てきた。
「…えっと、系統、ってのがなんなのかご説明を」
「…あ、ごめんな。異人は、特定の条件を満たすと上位の種族…ま、ようは進化先とか上級職みたいなもんだな、それになれるんだ。戦士は狂戦士に、騎士は聖騎士に…って感じでな。
その昇格先は種族ごとに決まってて、特定の種族とその一連の昇格先を『系統』って総称する。で、昇格順で見た時に一番下の階級の種族の名前を取って、『防人系』とか『戦士系』っていう風に呼称するんだ」
「なるほど。…あれ、てことは俺にも昇格先があるのか?」
「ああ。防人は|守人《もりびと》を経て、最終的には|勇人《いさみびと》になれる。まあ、条件はわからないけどな」
守人、勇人…どっちもなかなかカッコいい響きだ。
敢えてそれ以上聞かなかったが、たぶん昇格すると能力にブーストがかかったり、新しい技を覚えたりできるんだろう。
そして俺にも、そのチャンスがあるのか…
今から楽しみだ。
「姜芽様が勇人に…素敵です。姜芽様なら、きっとなれると思います」
キョウラも期待してくれているようだ。
これは、是非とも昇格してやらないと。
「それと、異能についてだ。オレの異能が水を操るものなのは言ったよな?」
「ああ。みんなはどうなんだ?」
「猶が風、煌汰が氷、柳助が地、龍神が電、輝が光…を操る異能を持ってる。これらはこの世界の魔法の属性と同じだから、覚えておくといい」
「わかった。てか、魔法ってどうやって覚えるんだ?」
すると樹は、あー、そっか、と唸って腕を組み、何やら考え込んだ。
「まずは適正を見抜かないとな…でも、あれ…こういう時ってどこに行けばいいんだっけ?」
樹はみんなの顔を見渡したが、誰も答えを言わず困惑した。
しかし、そこにキョウラが助け舟を出した。
「でしたら、フィーリルの教会へ行きましょう。あそこの僧侶様が、属性の適正を判断できたはずです」
「そうか、そりゃ助かる。よし、さっそく行こうか…あ、みんなは待ってろよ?」
「元よりそのつもりだ。結果だけ聞けば満足だしな」
猶はそう言って席を立った。
「まあ、あんまり大人数で言っても向こうの迷惑になるしね。僕たちは待ってるよ」
煌汰も席を立ち、2階へ上がっていった。
「じゃ、決まりだな。2人はついてきてくれ」